CIOから発売された、発火しにくい新世代バッテリー技術として期待される半固体電池を搭載したモバイルバッテリー「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」をレビューします。実際にiPhone17 Proを充電し、従来品と比較することで、安全性と実用性を徹底的にチェックしてみました。新製品ながら、Amazonブラックフライデーセール期間中は通常価格から14%引きで購入可能です。
本記事には、メーカーからご提供いただいたレビュー用のサンプル品を使用しています。
最新技術の半固体電池を採用しながら薄型・軽量を実現
CIO(本社:大阪)から発売された「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」は、最新テクノロジーである半固体電池を採用しながら、既存の薄型モバイルバッテリー「SMARTCOBY SLIM 5K(ハイパフォーマンスモデル/セーフティモデル)」と同じ外観デザインとサイズを実現しているのが特徴です。
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」(写真中央)と、「SMARTCOBY SLIM 5K(ハイパフォーマンスモデル)」(左)、「SMARTCOBY SLIM 5K(セーフティモデル)」(右)を並べると、アルミニウム合金製ボディの外観はまったく同じです。
筆者の個人的な欲を言うと、せっかく最新技術を採用した先端的な製品なので、外観上のちょっとした差別化(CIOロゴの色が少し違う、など)があっても良いような気もします。
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」と「SMARTCOBY SLIM 5K(ハイパフォーマンスモデル/セーフティモデル)」の、主要スペック及び価格は以下のとおりです。
重量や満充電までの所要時間に若干の違いはあるものの、サイズ、容量や出力といったスペックは全く同じです。
| SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K | SMARTCOBY SLIM 5K (ハイパフォーマンスモデル/セーフティモデル) | |
|---|---|---|
| カラーバリエーション | シルバー ブラック | シルバー ブラック |
| 本体外装素材 | アルミニウム合金 | アルミニウム合金 |
| バッテリー | 半固体電池 | リチウムイオン電池 |
| 容量 | 5,000mAh | 5,000mAh |
| 最大出力 | ワイヤレス:最大15ワット USB-C:最大20W | ワイヤレス:最大15ワット USB-C:最大20W |
| 蓄電所要時間(0%→100%) | 約130分 | 約150分 |
| サイズ | 高さ約102ミリ × 幅約70ミリ × 厚さ約8.7ミリ | 高さ約102ミリ × 幅約70ミリ × 厚さ約8.7ミリ |
| 重量 | 約121グラム | 約117グラム |
| 価格(税込) | 通常価格:6,980円 Amazonブラックフライデーセール価格:5,980円(14%オフ) | 通常価格:5,980円 Amazonブラックフライデーセール価格:4,580円(23%オフ) |
半固体電池とは?リチウムイオン、全固体との違いは?
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」に採用された半固体電池について、簡単に解説します。
多くのモバイルバッテリーや、スマートフォンなど電子機器類に広く採用されているリチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く比較的コストも安いものの、内部の電解質に液体を使うため、衝撃や劣化などによる発火に注意が必要です。
リン酸鉄リチウム電池は、安全性が高く比較的コストが安いため電気自動車(EV)などでも採用されていますが、エネルギー密度がやや低いためにコンパクト化が困難という課題があります。
ナトリウムイオン電池は、比較的安全性が高いもののエネルギー密度はやや低めです。まだ市場に出始めということもありコストが高く、リチウムイオンの次世代を担う存在として期待されています。
半固体電池は、現在のリチウムイオン電池に近いエネルギー密度の高さを持ち、液漏れや発火のリスクが低い一方で、一般向け製品は市場に出たばかりでコストがやや高いという弱点もあります。
全固体電池は、まだ研究開発段階ですが、最高レベルのエネルギー密度と安全性をもつ「未来の技術」です。ただし、一般向け製品にできるほどの量産化技術や製造コストといった課題をクリアする必要があります。
これらの特徴は、以下の表のように簡単にまとめられます。
比較すると、半固体電池はスマートフォンと一緒に持ち歩いて使うモバイルバッテリーとして、リチウムイオン電池のエネルギー密度という長所を受け継ぎつつ、課題だった安全性をクリアしており、現時点では(ややコストは高いものの)現実的でベストな存在と言えることが分かります。
| リチウムイオン電池 | リン酸鉄リチウム電池 | ナトリウムイオン電池 | 半固体電池 | 全固体電池 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 電解質 | 液体 | 液体 | 液体 | ゲル状・ペースト状など | 完全固体 |
| エネルギー密度 | ★★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
| 安全性 | ★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
| 市場の状態 | ★★★★★(成熟) | ★★★★(EVなどに採用) | ★★(急拡大中) | ★★(実用化開始) | ★(研究段階) |
| コスト | ★★★★(安い) | ★★★★(安い) | ★★ | ★★★ | ★(非常に高い) |
CIOの「半固体”系”電池」とは?
CIOはWebサイトなどで、「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」の製品説明に「半固体系電池」という表現を使っています。
CIOによると、「半固体」「準固体」と呼ばれる電池が世に出て日が浅く定義が曖昧であるため、同社のハードウェア基準「NovaCore C2」と、ソフトウェア制御技術「NovaSafety S2」を組み合わせた、新世代の製品を「半固体系電池」と呼称しているそうです。
「NovaCore C2」は、実績のあるメーカーの半固体電池を採用したうえで、以下の条件をクリアするハードウェア基準を指します。
- 内部構造の基準(膨張時の余裕、セル区切り、難燃性、放熱性)を満たす
- 130度の高熱、短絡(ショート)、圧迫、落下、釘刺しでも発火しない
- バッテリーセル内部温度が55度を超えない構造
- 満充電〜完全放電を500サイクル繰り返してもバッテリー容量の80%を維持
「NovaSafety S2」は、モバイルバッテリー内部の温度を常時監視し、高温になると出力を自動制御し、表面温度を42度以内に抑えるソフトウェア制御の名称です。
なおCIOは、「半固体系」モバイルバッテリーの新製品として、MagSafe吸着可能でケーブルも内蔵する「SMARTCOBY Ex01 SLIM Qi2 & CABLE」の後継モデルにあたる「SMARTCOBY Ex04」の発売も予定しているそうです。
半固体モデルも薄型&アルミ合金筐体を採用
ここでは、「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」(シルバー)の外観をチェックします。
表面は「SMARTCOBY SLIM 5K」と同じ、放熱性に優れたアルミニウム合金製で、モバイルバッテリーとは思えないような高級感があります。手触りはサラサラしています。
iPhoneに吸着させる側は、柔らかいシリコンシートが貼り付けられています。
側面のボタンを押すと、背面のLEDランプで充電残量を確認可能です。LEDランプは、iPhoneなどへの充電中にも点灯します。
iPhone17 Pro(シルバー)に装着してみました。ともにシルバーのアルミニウム合金なので、一体感があり、相性は抜群です。なお、ワイヤレス充電中は左端の紫色LEDが点灯します。
Apple純正のテックウーブンケースに装着してみました。iPhone17 Proの大きく飛び出したカメラ部分に干渉しません。
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」は薄いので、ケースの上からiPhone17 Proに装着しても、持ちやすさが犠牲になりません。
MagSafe吸着の磁力は強めで、モバイルバッテリーを持ってiPhoneを軽く振った程度では落下することがありません。
実際にiPhoneを充電して充電速度と発熱をチェック
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」の実用性と安全性を確かめるため、バッテリー残量20%のiPhone17 Proを充電して、充電速度と表面温度を測定しました。
測定条件は、「SMARTCOBY SLIM 5K」(セーフティモデル、ハイパフォーマンスモデル)の時と同様、以下のとおりです。
- 室内温度は20度に保ち、iPhoneは発泡スチロールフォームの上に伏せて置いた状態で充電。
- 1分ごとに表面温度を測定し、そのタイミングでiPhoneを持ち上げてバッテリー残量も確認。
- 実際の使用環境に近づけるため、機内モードなどは使用せず、画面の明るさは50%に固定。
ワイヤレス充電
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」で、バッテリー残量20%のiPhone17 Proをワイヤレス充電(最大出力15ワット)したところ、30分間で40%まで充電できました。モバイルバッテリーの残量LEDは3つ点灯していました。
表面温度は、測定スタート(22.7度)から、8分後に35.0度(+12.3度)になったのをピークに、その後は32度前後まで低下した状態をキープしており、発熱抑制のプログラムが効果的に動作していることが確認できました。
30分間充電した後のモバイルバッテリー表面に触れると、暖かさを感じる程度でした。
有線(USB-C)充電
次に、「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」からiPhone17 Proに、USB-Cケーブルで有線充電します。有線充電の最大出力は20ワットです。
30分間で、iPhoneのバッテリーを20%から61%まで充電できました。ワイヤレス充電よりも高速に充電できています。モバイルバッテリーの残量LEDは2つ点灯していました。
表面温度は、充電開始(23.1度)から12分後に17.5度上昇し、40.6度になりました。その後は温度が低下し、若干の上下はあるものの表面温度を40度程度に抑える制御が働いていることが分かります。
リチウムイオンの「SMARTCOBY SLIM 5K」2製品と比較
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」の測定結果を、同条件で測定した「SMARTCOBY SLIM 5K」(セーフティモデル、ハイパフォーマンスモデル)と比較してみます。
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」のワイヤレス充電速度は、「SMARTCOBY SLIM 5K(ハイパフォーマンスモデル)」には及ばないものの、「SMARTCOBY SLIM 5K(セーフティモデル)」と同等で、表面温度の上昇はセーフティモデルよりも抑えられています。
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」の有線充電速度は「SMARTCOBY SLIM 5K(ハイパフォーマンスモデル)」と同等で、表面温度の上昇はハイパフォーマンスモデルよりも抑えられています。
発火リスクの低い「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」は、発熱をしっかり抑制できており、充電スピードが欲しい時には有線充電することで充電速度も確保できる、良いとこ取りな性能を実現しているといえます。
| SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K | SMARTCOBY SLIM 5K(セーフティモデル) | SMARTCOBY SLIM 5K(ハイパフォーマンスモデル) | |
|---|---|---|---|
| ワイヤレス充電30分間の充電量 | 20%→40% | 20%→38% | 20%→49% |
| ワイヤレス充電最大表面温度(開始時からの上昇幅) | 35.0度(+12.3度上昇) | 37.0度(+15.2度上昇) | 40.7度(+19.7度上昇) |
| 有線充電30分間の充電量 | 20%→61% | 20%→43% | 20%→62% |
| 有線充電最大表面温度(開始時からの上昇幅) | 40.6度(+17.5度上昇) | 35.1度(+12.3度上昇) | 43.3度(+20.9度上昇) |
まとめ:半固体電池モバイルバッテリー、買うべきなのは?
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」は、新世代の半固体電池を採用しながらも、従来製品と同じ外観、サイズ、容量、出力を実現しており、モバイルバッテリーとしての使い勝手が犠牲になっていないのが特徴です。
販売価格が従来品よりも少し高いことを除けば、半固体電池であることによるデメリットがなく、安全性を考えれば従来品との価格差も小さいと感じられます。
CIOの「半固体系電池」が目指す安全性は、iPhone Maniaの読者アンケートで、モバイルバッテリー購入時に重視する点としてトップとなっており、多くのユーザーにメリットがあると思われます。
「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」は、モバイルバッテリーを使うすべての方におすすめできる製品ですが、特に以下に該当する方にはお勧めです。
- 発火リスクを抑えた安心できるモバイルバッテリーを使いたい方
- 安心・安全に加えて、充電速度でも妥協したくない方
- 最新テクノロジーを採用したモバイルバッテリーを使いたい方
