スマホの平均月額料金4,363円で下落傾向再び。端末代金は上昇続く

iPhone14 ProとSIMカード hato/iPhone Mania

MM総研が、「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2024年7月調査)」の結果を公表しました。スマートフォンの月額利用料金は、前回の調査で下落傾向が反転していましたが、今回は再び下落しています。端末購入金額は上昇が続く傾向にあります。月間データ通信量は、半数は3GB以下の小容量でした。

スマホ月額料金、平均は4,363円(端末代除く)

MM総研が発表した「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2024年7月調査)」によると、スマートフォン利用者の月額利用料金(通話料金+データ通信料金。端末の分割払いを含まない)は4,363円で、前回調査(2024年1月)から113円減少しています。

利用通信サービスごとの利用料金は以下のとおりです。スマートフォンではMNOが167円と減少幅が大きく、サブブランドは51円の小幅増、MVNOは8円の微減でした。

  • MNO4ブランドのスマートフォン:5,043円(前回調査比167円減)
  • MNOのフィーチャーフォン(楽天モバイルを除く):2,610円(同35円増)
  • サブブランド:3,277円(同51円増)
  • MVNO:1,993円(同8円減)

下降が続いていた月額利用料金が、前回調査で159円上昇し、今回は113円の減少となりました。この変化についてMM総研は、2023年以降に登場した各社の新料金プランへの移行が加速したため、と分析しています。

新プランでは、データ通信量1GBあたりの料金は従来よりも安くなったものの、データ通信量は前回比0.39GB増の微増にとどまるため、通信料金が下がったとみられます。

スマホ購入金額の平均は75,793円、続く高価格化

スマートフォン利用者全体の端末の割引前購入金額(支払い総額)は75,793円で、前回に続いてさらに1,457円増加しました。

端末購入金額の増加の要因についてMM総研は、(1)為替変動と物価高騰によるスマートフォン本体の価格上昇、(2)売れ筋価格帯として2万円〜3万円の低価格帯端末の比率が減少して6万円以上の中高価格帯の比率上昇、という要因が前回に続いて影響していると分析しています。

5G対応の有無別では、5G対応スマホ利用者の平均は84,907円、4G/3Gスマホ利用者は56,204円で、5G対応の方が3万円近く高くなっています。

利用通信サービス別の端末購入金額は以下のとおりです。スマートフォンでは、MNOの増加幅は小さい一方で、サブブランドとMVNOの増加幅の大きさが目立ちます

  • MNO4ブランドのスマートフォン:80,777円(前回調査比871円増)
  • MNOのフィーチャーフォン:21,279円(同81円減)
  • サブブランド:67,216円(同3,289円増)
  • MVNO:59,285円(同2,416円増)

データ通信量は3GB以下が約半数、10GBまでが75%

スマートフォン利用者の月間データ通信量の平均(「わからない」回答者を除く)は11.47GBで、中央値は3GBとなりました。

有効回答者のみを集計すると、月間通信量が3GB以下のユーザーが52.9%を占めています。

平均値は増加傾向にありますが、中央値は以前の調査から3GBのままであり、利用データ量の二極化が進んでいるといえます。

月間通信量が10GBまでのユーザーが75.4%で、前回調査から0.2ポイント減少し、10GB超のユーザーがその分増加しています。

「わからない」回答者を除いて、利用通信サービス別の月間データ通信量は以下のとおりです。MNO利用者のデータ通信量が、サブブランドとMVNOの2倍以上となっています。

  • MNO4ブランドのスマートフォン:13.58GB
  • サブブランド:6.39GB
  • MVNO:6.52GB

年代別では以下のとおりとなり、若い世代ほどデータ通信量が多い傾向にあります。

  • 20代以下:18.80GB
  • 30代:15.57GB
  • 40代:12.08GB
  • 50代:10.03GB
  • 60代:6.34GB

音声通話:MNO利用者でもIP・アプリ通話が携帯番号を超える

スマートフォン利用者に、携帯電話番号とIP電話・アプリ電話での1週間あたりの音声通話時間を尋ねたところ、以下の結果となりました。

利用通信サービスがMNO、サブブランド、MVNOのいずれも、IP・アプリ通話が携帯電話番号から通話を上回っています

MVNO利用者は音声通話時間がMNO、サブブランド利用者の半分強と短くなっています。

通信サービス携帯電話番号からIP電話・アプリ電話から合計
MNO4社18.2分22.7分40.9分
サブブランド18.7分20.3分38.9分
MVNO9.4分12.7分22.1分

スマホ利用時間は1,213分/週、前回から2分減

スマートフォンの1週間あたり利用時間(通話時間を除く)は、全体では1,213分(20時間13分)でした。前回調査から2分間短くなっています。

利用通信サービス別では以下のとおりです。前回調査と比べて、サブブランド利用者の利用時間が伸びたことで、サブブランド利用者のスマートフォン利用時間がわずかにMNO利用者を上回っています。

  • MNO4社:1,227分(前回比53分減)
  • サブブランド:1,231分(前回比103分増)
  • MVNO:1,120分(前回比49分増)

SNSと動画配信の利用時間は前回から減、音楽配信は増

SNS、音楽配信、有料動画配信の各サービスの利用率と、1週間あたりの利用時間は以下のとおりでした。

  • SNS全体:利用率 67.4%、利用時間 121分/週(前回比6分増)
  • 音楽配信サービス:利用率55.2%、利用時間140分/週(前回比15分増)
  • 有料動画配信サービス:利用率67.8%、180分/週(前回比21分減)

SNS:X(Twitter)が利用率トップから転落!

SNSでは、前回調査で利用率トップだったX(Twitter)が2位に順位を下げ、前回2位のInstagramが1位になっています。

  1. Instagram:利用率 66.5%、利用時間 118分/週
  2. X(旧 Twitter):利用率 64.3%、利用時間 134分/週
  3. Facebook:利用率 36.1%、利用時間 69分/週
  4. TikTok:利用率 31.8%、利用時間 178分/週
  5. Threads:利用率 15.1%、利用時間 82分/週

音楽配信:Apple Musicが利用率3位、利用時間はトップ

音楽配信サービスの利用率の順位は前回と同じです。Apple Musicは利用率で3位ながら、利用時間トップを前回から維持しています。

  1. YouTube Music:利用率 28.6%、利用時間 98分/週
  2. Spotify:利用率 25.5%、利用時間 160分/週
  3. Apple Music:利用率 22.6%、利用時間 200分/週
  4. Amazon Music Unlimited:利用率 15.2%、利用時間 152分/週
  5. LINE Music:利用率 10.2%、利用時間 116分/週

有料動画配信:利用率で不動のAmazon、利用時間順位競争は僅差

有料動画配信サービスでは、Amazonプライムビデオの利用率が最も高いのは前回から同じです。利用時間では、U-NEXTの244分が最長となっているほか、YouTube Premium 230分、Netflix 212分などが競っています。

  1. Amazonプライムビデオ:利用率が39.8%、利用時間 148分/週
  2. Netflix:利用率 17.1%、利用時間 212分/週
  3. YouTube Premium:利用率 13.1%、利用時間 230分/週
  4. Hulu:利用率 7.0%、利用時間 203分/週
  5. U-NEXT(旧 Paraviを含む):利用率 6.7%、利用時間 244分/週

Source:MM総研

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