Metaが人工知能(AI)関連の人材獲得をさらに強化しており、Appleの重要人物がヘッドハントされたとBloombergが報じています。その人物とは、Appleで「Foundation Models」チームを率いていたルオミン・パン(Ruoming Pang)氏です。
Foundation Modelフレームワークとは?
あまり聞き慣れない「Foundation Modelフレームワーク」ですが、それもそのはず。これは、2025年6月のAppleの世界開発者会議(WWDC25)で発表されたばかりの、新たな開発者向けフレームワークです。
このフレームワークでは、Apple Intelligenceを支えるオンデバイスの大規模言語モデルを開発者が利用でき、既存のアプリ機能を強化したり、まったく新しい機能を実装したりすることが可能になります。
最大の特徴かつ利点は、オンデバイス、すなわちインターネットやモバイル接続なしで動作する点です。これによりプライバシーが保たれるだけでなく、オフラインでもタスクを実行できるため、アプリ機能の活用範囲が広がると期待されています。
チームを率いた人物がMetaへ!
この画期的な開発者フレームワーク「Foundation Models」のチームを率いていたパン氏が、Metaに引き抜かれたと、Appleの内部事情に詳しいBloombergのマーク・ガーマン記者が伝えています。
Metaはこうした重要人材の確保のため、年間数千万ドル(約300〜700億円)規模の報酬パッケージを提示したとみられています。
Appleにとっては大きな痛手
パン氏は、約100人規模のチームを率い、Apple Intelligenceやその他のAI機能を支える大規模言語モデルの開発に携わっていました。こうしたキーパーソンを失うことは、AI開発で遅れを取っているとされるAppleにとって大きな打撃です。
すでにパン氏の後任は決まっているようですが、今回の人材流出は、今後さらに激化するAI競争を象徴する出来事と言えるでしょう。
Source: Bloomberg
Photo: Apple