Appleの最高経営責任者(CEO)から取締役会長となったティム・クック氏が、今年3回目となる中国訪問を行ったと報じられました。クック氏はCEO時代から年に何度も中国を訪れていましたが、取締役会長に就任してからは今回が初めてです。iPhone18 Proの需要に不透明感が生じる中、今回の訪問にはどのような意味があるのでしょうか。
CEOから退いても精力的に活動
今年9月1日、AppleのCEOの座をジョン・ターナス氏へと引き継いだクック氏ですが、以前と変わらず精力的に活動しているようです。
今回の中国訪問では、10月11日に広東省の孟凡利省長と会談したほか、広州市のApple Storeを訪問。地元クリエイターがiPhone18 Proを使って武術の映像を撮影する様子も見学したと伝えられています。
また、10月12日には北京で何立峰副首相と会談し、Appleの中国における長期的な事業展開への自信を示しました。
Appleはクック氏のCEO退任に際し、取締役会長として各国政府の政策決定者との関係構築などに引き続き関わると説明していました。
今回の中国政府高官との会談は、まさにその役割に沿った活動といえます。
ターナスCEOが製品開発や事業運営を率いる一方、クック氏は長年にわたって築いてきた政府や企業との関係を維持するという、新たな役割分担が見えてきます。
iPhone18 Proの中国での勢いは?
iPhone18 Proシリーズは中国で好調なスタートを切り、発売後3日間の販売台数が前年のiPhone17 Proシリーズの初週販売台数を12%上回りました。
一方、高価格による需要減速が懸念されており、すでにサプライチェーンの一部では、Appleが部品の減産を要請したとも報じられています。
ただし、発売直後の販売台数と、その後の生産調整は必ずしも矛盾するものではありません。
新製品の発売直後は、早期の購入を希望するユーザーからの注文が集中しやすく、初動が好調でも、その勢いが長期間続くとは限らないためです。
また、部品の減産が事実だったとしても、それだけで中国市場の需要が低迷していると判断することはできません。
クック氏が今回の訪問で、iPhone18 Proの現地での販売動向を直接確認する目的もあったのかもしれません。
さらに、Apple初の折りたたみiPhoneであるiPhone Duoは、10月23日の発売を予定しています。中国では折りたたみスマートフォンの競争も激しく、同製品の発売を控えた重要な時期の訪問となりました。
中国は依然としてAppleの重要市場
Appleにとって中国は、iPhoneの重要な販売市場であると同時に、製造を支える主要拠点でもあります。
今回クック氏が訪問した広東省には、Appleのサプライヤーや関連企業が集積しており、同氏も中国事業の成長に重要な役割を果たしてきた地域だと評価しています。
Appleは近年、インドなどへの生産拠点の分散を進めていますが、中国には長年かけて構築した部品調達や組立のネットワークがあります。
こうした製造体制を短期間で他国へ移すのは容易ではなく、生産拠点の分散を進めることと、中国との関係を維持することは、必ずしも相反するものではありません。
今回の訪問でも、クック氏はスマート製造や販売チャネルの拡大に意欲を示しています。
CEOが交代しても、Appleにとって中国が重要な市場であり、製造拠点でもあることに変わりはありません。
クック氏が取締役会長として中国政府との関係構築を続けることは、ターナスCEOが率いる新体制を支えるうえでも重要な意味を持つと考えられます。
