2026年上半期のAIグラスの世界出荷台数が、前年同期比263%増となりました。調査会社のCounterpoint Researchによると、ディスプレイを持たないタイプが全体の96%を占めています。ディスプレイなしのAIグラスはMetaが約94%を握り、2027年の参入が噂されるAppleは、主導権が固まったあとからの参入になりそうです。
出荷は前年同期比263%増
Counterpoint Researchが現地時間9月21日に公開した調査によると、ディスプレイなしのAIグラスとAR&AIグラスを合わせた世界の出荷台数は、2026年上半期に前年同期比263%増となりました。
セグメント別の内訳は次の通りです。
| セグメント | 前年同期比 | 2025年下半期比 |
|---|---|---|
| 全体(ディスプレイなし+AR&AI) | 263%増 | — |
| ディスプレイなし(全体の96%) | 258%増 | 22%増 |
| AR&AI | 449%増 | 18%増 |
ディスプレイなしが市場の大半を占める背景には、価格の安さと本体の軽さがあります。一方のAR&AIグラスは、外を見通すために導波路レンズを使う機種が多く、伸び率こそ449%増ですが規模はまだ小さいままです。コストと大きさの両面が、普及の壁になっています。
数値はCounterpointのIntelligent Eyewear Market Trackerによるものです。伸び率は公表されているものの、具体的な出荷台数は明らかにされていません。
Metaが94%を占める寡占
ディスプレイなしのAIグラスでは、Metaが約94%を占めています。出荷は前年同期比260%増で、2025年下半期と比べても22%増と伸び続けている状況です。Counterpointは、伸びを支えた要因を4つあげました。
1つはRay-Ban Metaの新しいバリエーション、もう1つは低価格のMeta Glassesの投入です。残りの2つは販売地域の拡大と、小売店での販促でした。Metaは製品の幅と売り場の両方を広げています。
CounterpointのResearch VPを務めるPeter Richardson氏は、Ray-Ban Meta AI Glassesの登場から3年が経っても、競争環境はほとんど変わっていないと述べました。そのうえで、Metaが上半期にさらに支配力を強めたと指摘しています。
Meta以外のメーカーは分散した状態が続いたままです。AlibabaやHuaweiといった中国勢も製品を投入していますが、Metaに迫る規模には届いていません。
国内でも5月から買える状況
Counterpointは成長の要因として、新しいアジア太平洋市場への参入をあげています。日本もその1つです。Metaは5月21日に、Ray-Ban Meta(Gen 2)とOakley Metaの国内販売を始めました。
発売時点の価格は次の通りです。
| モデル | 価格(税込) |
|---|---|
| Ray-Ban Meta(Gen 2) | 73,700円〜 |
| Ray-Ban Meta Optics(Gen 2) | 82,500円(度付きレンズ別売り) |
| Oakley Meta HSTN | 77,220円〜 |
| Oakley Meta Vanguard | 96,580円〜 |
販売はレイバンやオークリーの直営店と公式オンラインストア、全国の正規取扱店、そしてMeta.comで始まりました。Metaの認定小売店ではオンライン先行で、6月4日からの取り扱いです。
その後もラインアップは広がり、Metaストアでは低価格のMeta Glassesが50,600円から選べます。Appleの参入を待つか、いま手に入るAIグラスを試すか。この選択は、日本の読者にとってもすでに現実のものになりました。
Appleの参入は2027年か
Appleもディスプレイを持たないスマートグラスを開発中です。2027年の投入を目標に、カメラとマイク、スピーカーをフレームに内蔵し、SiriとApple Intelligenceを軸に据えるとみられています。ARディスプレイを備えた上位版は、実現までさらに数年かかるとの見方です。
CounterpointのPrincipal Analystを務めるFlora Tang氏は、中国メーカーがいち早く製品を投入して改良を重ねると説明しました。これに対し、MetaやAppleは技術が成熟するのを待つ慎重な姿勢です。
その具体例として、AppleはRay-Ban Metaとは異なりプライバシーを優先する設計を採ると報じられています。健康・フィットネス機能も初代では見送りになる方向で、初代は機能を絞った構成になりそうです。
逆風はメモリ値上げとプライバシー
Counterpointは市場の逆風を2つあげました。メモリを中心とした半導体部品の値上がりと、カメラの搭載に伴うプライバシーへの懸念です。どちらも短期的には成長を鈍らせる要因になり得ます。
メモリ価格の上昇は、AIグラスだけの問題ではありません。Appleも2027年第1四半期のDRAMとNANDの値上げを受け入れたと報じられ、併売モデルの価格改定にも影響した可能性が指摘されています。
一方でCounterpointは、製品の形が増えると予想しました。カメラを持たないAIオーディオグラスや、撮影ではなく状況を理解するためにカメラを使う機種が出てくるとみています。Appleが参入する2027年までに市場の構図がどこまで変わるかが、これからの焦点になりそうです。
Source: 9to5Mac
