AppleがNANDフラッシュメモリについて長期供給契約を締結し、その供給元はキオクシアとの見方が市場関係者の間で有力になっていると報じられています。
今回の契約にはAppleへの卸価格に上限を設ける条件が含まれないとの見方もありますが、必要な数量を安定して確保する点では大きく前進したと考えられます。
NAND不足が価格高騰にも波及
現在のNANDフラッシュメモリの価格高騰は、AIサーバー向け需要の急増によって、需要に対する供給数量が不足していることも理由の1つとされています。
そのため、必要なNANDフラッシュメモリを長期契約で確保することは、数量不足時に高額な提示価格でも購入せざるを得ない状況を回避するのに有効と考えられます。
最長2031年までの契約の可能性
Appleが締結したとされるNANDフラッシュメモリの長期供給契約は、3年〜5年程度になるとの見方が市場関係者から出ています。
仮に2026年から5年間の契約であれば、2031年頃までNANDフラッシュメモリの一定数量を確保できることになります。
NANDフラッシュメモリやDRAMの供給不足と価格高騰が2030年頃まで続くとの悲観的な予測もあります。
そのため、2031年頃まで有効な契約であれば、供給不足が続くと予想される期間を乗り切るうえで、Appleにとって大きな意味を持ちそうです。
価格より必要数量確保を優先か
今回の長期供給契約には一定の供給数量に関する条件が盛り込まれているとみられる一方、価格上限は設定されていないとの見方があります。
このことから、AppleはNANDフラッシュメモリを安く仕入れることよりも、製品の生産に必要な数量を確保することを優先したと捉えることができます。
必要なNANDフラッシュメモリを確保できなければ、iPhoneやiPad、Macなどの完成品そのものを計画通りに生産することができません。
仕入れ価格の上昇であれば販売価格への転嫁などの対応策がありますが、部品そのものが不足する場合は製造台数を増やすことも難しくなります。
そのため、価格上限を設けずにでも一定数量を長期的に確保することは、今後数年間の製品出荷計画を維持するうえで重要と考えられます。
DRAMでも長期契約を検討か
Appleは現行iPhoneなどに採用するLPDDR5Xと、今後採用する見込みのLPDDR6 DRAMについても、長期供給契約を検討していると報じられています。
候補となるサプライヤーはSamsung Electronics、SK Hynix、Micronですが、NANDフラッシュメモリと同様の長期契約が実現するかは不透明な状況です。
AIサーバー向け需要によってDRAMの供給も逼迫しているため、こちらでも必要数量を長期的に確保できるかが、Appleの今後の製品計画を左右しそうです。
Source: IT之家
Photo: Apple Hub/Facebook
