AppleがSamsungに投資し、テキサス州にイメージセンサー製造拠点を整備してiPhone18向けに3層積層型イメージセンサーを製造すると予想されている点に関し、本来の目的は2027年にグローバルシャッターを搭載するイメージセンサーを製造供給するためではないかとの意見がでています。
グローバルシャッターは、ソニーがデジタル1眼レフカメラであるα9 IIIで採用済みです。
2027年にグローバルシャッター搭載イメージセンサーを製造と予想
Samsungが、テキサス州に建設するイメージセンサー製造拠点で2027年にグローバルシャッターを搭載するイメージセンサー(以下、グローバルシャッターイメージセンサー)の製造を開始した場合、フルサイズスクリーンを搭載し革新的なモデルになると噂のiPhone発売20周年モデルにそれが採用される可能性があります。
Samsungはグローバルシャッターイメージセンサーとして、320×240ピクセルの解像度のISOCELL Vizion 63Dと、640×640ピクセルの解像度のISOCELL Vizion 931を発表済みです。
グローバルシャッターイメージセンサーのメリットとは
ソニーはα9 IIIに搭載済みのグローバルシャッターイメージセンサーについて、イメージセンサーの全画素で同時に露光し、読み出しを行うため、高速で動く被写体であっても像が歪むことがないと説明しています。
そのわかりやすい効果として、現在一般的なローリングシャッターイメージセンサーを搭載するカメラで撮影した場合は高速で回転する扇風機の羽根が歪んでしまう(下記画像左側)のが、グローバルシャッターイメージセンサーを搭載するカメラで撮影した場合は歪まない(下記画像右側)ことがよく取り上げられています。
Samsung、ISOCELL Vizionシリーズをベースに開発か
iPhone向けグローバルシャッターイメージセンサーを製造供給するために、Samsungは米国に新たな製造拠点を整備するはずというのが韓国メディアの見立てです。
Appleも先日の発表内で、「Samsungと協力し、世界中でこれまでに使用されたことがない革新的な新技術を用いたチップを開発する」と記していましたので、ISOCELL Vizionシリーズの技術をベースに、グローバルシャッターを搭載しモバイル向けに適した高解像度のイメージセンサーを新たに開発するのかもしれません。
3層積層型イメージセンサーであればソニーが2017年に発表済みですので、革新的な新技術とは言えません。
ソニーの供給もあり得る?Samsungが独占供給?
現在、iPhone向けイメージセンサーを独占供給中のソニーもグローバルシャッターに関する技術を持っていますので、iPhone向けグローバルシャッターイメージセンサーをSamsungが独占供給するのか、ソニーも受注できるのか注目です。
もしも両社がiPhone向けグローバルシャッターイメージセンサーを供給することになった場合は、性能差が指摘されたApple A9のときとは異なり、モデル毎に搭載モデルをわけることも考えられます。
iPhone向けイメージセンサーを巡る両社の話題は他にも、将来のiPhoneにおける2億画素イメージセンサーの搭載で取り上げられていました。
Photo:Apple Hub/Facebook, ソニー (1), (2), intelgic, Samsung (1), (2)