日本人はなぜ赤いハート絵文字を使いたがらないのか?

ピンク 水色 ハート

7月17日は、絵文字の使用促進を目的とした「世界絵文字デー」でした。この日に合わせて、国ごとの人気絵文字ランキングが発表され、日本のデータも含まれていました。他国と比べると、日本人の絵文字の使い方に独自の傾向があることが浮き彫りになっています。

日本ではピンクのハートが最も人気

今回のランキングは、emojitrackerがリアルタイムで集計した、最も使用されている上位1000種類の絵文字をもとに作成されたものです。これにより、日本人の絵文字の使い方が他国と大きく異なることが明らかになりました。

データが公開されたのは、アメリカ、イギリス、インド、ブラジル、フィリピン、フランス、ドイツ、オーストラリア、そして日本の9カ国です。このうちインド・フィリピン・日本を除く6カ国では、赤いハート絵文字「❤️」が1位を占めていました。

インドとフィリピンでは、手でハートを作る絵文字「🫶」が1位となっていましたが、日本だけは異なり、ピンクのハート「🩷」が1位、水色のハート「🩵」が2位という結果に。しかもその差はわずかで、実質的には同率1位と言えるほどです。

ピンクのハートの意味とは?

ピンクのハート絵文字については、Netflixドラマ『アドレセンス』(今年配信開始)で、その意味が描かれているシーンがあります。作中では、イギリスのティーンエイジャーにとって、ピンクのハートは「興味はあるけど、セックスには興味がない」ことを示すとされています。

ただし、日本人がこのような意味でピンクのハートを使っているとは考えにくいでしょう。あくまで推測ですが、赤いハート「❤️」だと「本気で好き」と思われる可能性があるため、より中立的な印象を与えるピンクや水色のハートが選ばれているのではないでしょうか。

ピンクや水色のハートという組み合わせは、他の国ではあまり見られない傾向であり、日本人独自の愛情表現のあり方が反映されているように思えます。

国旗の絵文字の使い方にも注目

今回の9カ国の絵文字使用ランキングで、ハート以外にも注目したいのが国旗の絵文字の使われ方です。

意外なことに、「星条旗を振りかざす」イメージの強いアメリカでも、米国の国旗絵文字「🇺🇸」は13位と、そこまで高くはありません。他の多くの国でも、国旗絵文字はトップ10に入っていないケースが見られました。

一方で、日本の国旗絵文字「🇯🇵」は6位にランクインしており、これはブラジルやドイツと並ぶ高順位です。日本では国旗を日常的に掲げる文化はあまりないにもかかわらず、絵文字としては比較的よく使われているということがわかります。

特に愛国心が強く表れているのがフランスで、フランスの国旗絵文字「🇫🇷」は4位にランクインしており、国への誇りやアイデンティティが絵文字にも反映されていることが読み取れます。

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