米ドナルド・トランプ大統領が、スマートフォンやPC、半導体関連製品を高額な関税の適用対象外としたことで、Appleは巨額の損失を回避できたとみられます。この決定にAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が影響を及ぼしたのではないか、とアメリカの議員が説明を求めています。
Apple製品の関税適用除外の経緯説明を求める
米トランプ政権が相互関税の対象からスマートフォンやPCを除外する決定に、Appleのティム・クックCEOが、不適切な影響を与えたのではないかとする質問状を、米上院のエリザベス・ウォーレン議員(民主党)が送付しました。
ウォーレン議員らは、2025年1月にクックCEOがトランプ大統領に贈った、100万ドル(約1億4,300万円)の寄付の妥当性についても疑問を示しています。
トランプ政権幹部との対話内容などの提供を求める
Bloombergによると、ウォーレン議員はクックCEO宛ての書簡で、巨大企業であるAppleが、他の企業には不可能なレベルの資金と影響力を行使したのではないか、として以下の疑問を投げかけています。
- トランプ政権高官との、関税に関するやり取りの内容
- 4月12日の関税適用除外に関する発表の前に、クックCEOもしくはApple関係者がトランプ政権高官との会合や通信内容に関する情報提供
- 4月12日に発表された関税適用除外について、Appleが知った時期
- 関税適用の対象外となることで、Appleが得られる利益の金額と、その計算プロセス
なお、トランプ政権は、一時的に関税の適用を停止したものの、スマートフォンやPCを新たな関税の対象とする方針だと伝えられています。
一般的なロビーイングの範囲を超えた?
アメリカでは、Appleのような大企業や業界団体が、政府高官に対して面会や資金提供を伴う要望を伝えることは、ロビーイングと呼ばれる、合法的に認められた一般的な活動です。
今回は、Appleの企業としての活動ではなく、ティム・クックCEOとドナルド・トランプ大統領の個人的な関係の不適切利用や、一般的な企業には不可能な資本力を行使したことが、ロビーイングとして許容される範囲を超えた、ということのようです。
Source: Bloomberg