Appleが今週、AirTag2向けとしては初となるファームウェアアップデート(バージョン3.0.45)を配信しました。Mac Rumorsの公開されたリリースノートによれば、変更点は大きく2つ。「不要な追跡時に鳴る警告音の更新」と「精密探索(正確な場所を見つける)中に持ち主のわからないのAirTagをより見つけやすくした改善」です。加えて、未公開のバグ修正もいくつか含まれているとのこと。
正直なところ、ここだけ読むと「たったそれだけ?」と思うかもしれません。でも、この”追跡音の変更”という一見地味なアップデートですが、日本で使う上ではかなり意味があります。
「近くにあるのに!」満員電車でAirTagの音が聞こえない切実な悩み
AirTag2は発売時点で、初代モデルと比べてスピーカーの音量が50%アップし、最大で2倍の距離から音が届くとAppleはアピールしていました。しかし実際に日本で使ってみると、朝の満員電車や駅の構内では、あの「ピロロロ…」という電子音がびっくりするほど埋もれます。周囲の雑音やアナウンス、電車の走行音にかき消されて、自分のカバンにAirTagが入っていても気づけない——そんな声は、発売直後から少なくありませんでした。
今回のアップデートについて、Appleは「追跡音を更新した」と説明するにとどまり、単純な音量アップなのか、周波数やパターンを変更したのかは明言していません。
しかし、過去のApple製品におけるチューニングを振り返ると、騒がしい環境でも人間の耳がキャッチしやすい中高音域へ調整している可能性が高いと考えられます。つまり、単なる音量の数値以上に、実際の「聞こえやすさ」が大きく改善されているとみて間違いなさそうです。
なぜこの「音」が重要なのか。日本ではAirTagを使ったストーキング被害がたびたびニュースになり、警察が注意喚起を行う事例があります。不要な追跡を検知した際、本当に「すぐ気づける音」が鳴るかどうかは、私たちの安全に直結する問題です。一見すると地味なアップデートですが、防犯という観点からも、ここは高く評価されます。
iPhone17×AirTag 2の精密探索の体感はどう変わる?
今回のアップデートにおけるもう一つの大きな見どころは、「見知らぬAirTag」を精密探索でより特定しやすくなった点です。ただ、この内容は「使っているiPhoneの世代」がカギになってきます。
AirTag 2には第2世代のUWB(超広帯域)チップが搭載されていますが、同じチップを積んだiPhone 15以降のモデルと組み合わせることで、精密探索の有効距離が初代の最大1.5倍にまで広がりました。さらに、最新のiPhone 17シリーズと組み合わせた場合、画面上の矢印や距離メーターの動きが目に見えて滑らかになっています。数メートル離れた場所からでも「あっちだ」とビシッと正確な方向を指し示してくれるレスポンスの良さは、初代からの大きな進化を感じるポイントです。
ただ、ここで日本のユーザーにとって見過ごせない事実があります。Appleの公式サイトにも明記されていますが、日本では電波法の規制により、第2世代UWBの周波数の一部が利用できません。つまり、せっかくの「精密探索の距離1.5倍」という進化を、日本国内ではフルに発揮することはできません。
「じゃあ今回のアップデートは意味がないのか」
とガッカリしてしまいそうですが、実はそうではありません。 UWBの物理的な到達距離は制限されても、精密探索時の「見知らぬAirTagの検知アルゴリズム」はソフトウェア側の処理だからです。今回の更新で追跡音のタイミングや内部の処理が修正されていれば、限られた距離の中でも「見つけやすさ」は確実に向上しているはずです。日本で使う私たちにとっても「ちゃんと意味のあるアップデート」だと思います。
ファームウェアの確認手順と、更新が降りてこないときの対処法
AirTag 2のファームウェアバージョンは、iPhoneで確認できます。
- 「探す」アプリを開く
- 「持ち物を探す」 > 対象のAirTag の順にタップ
- 一番上のAirTagの名前をタップ
「3.0.45」と表示されていれば更新済みです。
AirTagにはファームウェアの手動更新機能がありません。ペアリング済みのiPhoneのBluetooth通信圏内にAirTagがある状態で、自動的にバックグラウンドで更新されます。数日経っても3.0.45にならない場合は、以下を確認してみてください。
- iPhoneのBluetooth設定がオンになっているか
- AirTagとiPhoneの距離が離れすぎていないか
- それでも更新されない時は「再ペアリング」
4,980円のAirTag2、買い替える必要ある?本音の判断基準
AirTag2の日本価格は1個4,980円(税込)、4個パックで16,980円。米国の29ドルを現在の為替(1ドル≒150円換算で約4,350円)で見ると、日本価格にはそこそこの為替マージンが乗っています。円安が続く限り、Appleが値下げに動く可能性は低いでしょう。
初代AirTagユーザーが今すぐ買い替えるべきかと聞かれたら、正直「急がなくていい」とです。初代でもiOS側のアップデートで不要な追跡の通知機能は提供されていますし、探し物用途で不満がなければ無理に乗り換える理由はありません。
ただし、iPhone17シリーズを使っていて、かつ防犯面を重視する方は話が変わります。第2世代UWBチップ同士の組み合わせで得られる精密探索の精度向上と、今回のファームウェアで改善された追跡音——この2つは初代AirTagでは絶対に得られない体験です。自転車やカバンの盗難対策に使いたい人、家族の安全のために見知らぬAirTagをいち早く見つけたい人にとっては、4,980円は十分にペイする投資だと思います。
逆にiPhone 14以前をお使いなら、AirTag単体での買い替えは正直もったいないです。どうせならこのタイミングで「iPhoneもAirTagも最新モデルで揃える」と踏み切ってみてはいかがでしょうか。サクサク動く新しいiPhoneと、探し物を絶対に見つけるAirTag2。この組み合わせ、本当に最強です。決して安い買い物ではないですが、毎日の安心感や使い心地の良さを考えたら、セットで揃える価値は十分にあります。
Source:MacRumors
