アップル、広告ビジネスから撤退へ―iAdのチームは解体の見通し

    iad アップル

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    アップルが自社広告プラットフォームiAdの見直しとチームの解体を図っていることが明らかになりました。広告ビジネスによって、思うように収益が上げられなかったことが原因とされています。

    アップルの得意分野ではなかった

    ニュースサイトBuzzFeedによれば、アップルは広告ビジネスへの従来のような参画を諦め、直接的にiAdへ関与することを止めることがわかりました。内部関係者は「端的に我々が得意な分野ではなかったということだ」とアップルがiAdのプロデュースに失敗したとするコメントを寄せています。
     
    今後アップルはiAdの販売チームを解体し、同プラットフォームでパブリッシャーが直接広告コンテンツを表示できるようにする予定です。これによって、アップルがコミッションを受け取ることはなくなり、パブリッシャーは得られる収益の100%を手にすることが出来ます。
     
    アップル自身は利益を大きく上げることが叶わなかった一方、巨大なプラットフォームを前にして、広告業界は大チャンスと捉えているようです。
     
    「パブリッシャーにとって最高のものになると考えている」と語るのは、アップルの新計画に詳しい事情筋です。「彼らはアップルを仲介することなく、ダイレクトに消費者に向けて広告を打つことが出来る。アクセスはより増加し、管理もより簡単になるだろう――理論上は」

    何度か見直しが図られたが功を奏せず

    昨年9月、アップルはiAd Workbenchをアップデートし、パブリッシャー自身が「News」アプリで広告を出すことが出来るように変更しました。現在、「News」のパブリッシャーは自分たちで広告を出すか、iAdに委託するかを選ぶことが出来ます。アップルは今後、こうした「News」限定のモデルをApp Storeなど、他のプラットフォームにも拡大する予定です。
     
    2010年に華々しくサービスが始まったiAdは、結局広告プラットフォームとして成功することは出来ませんでした。ニュースサイトMac Rumorsは、その原因を料金ではないかとしています。当初最低50万ドル(約6,000万円)だった料金は、その後何度か値下げされ、システムのテコ入れもiTunes Radioの登場に合わせるなどして複数回なされましたが、功を奏することはありませんでした。
     
    アップルがコントロールの手綱を緩めることで、広告が今後どのように変化していくのかは分かりませんが、ひとまずエンドユーザーにとって大きな影響がないことを願うばかりです。
     
    【追記】
    現地時間1月15日、AppleはiAdサービスを6月末をもって終了することを公式に発表しました
     
     
    Source:Mac Rumors
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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