2年縛りどころじゃない!キャリアが「35年縛り」を計画との報道―ただし内容には疑問も

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    電力会社や保険会社との協業を大手キャリアが行うことによって、2年縛りどころではない「35年縛り」が訪れるかも知れない――そんな夢とも現実ともつかない記事を日本経済新聞が掲載しています。

    問題視されるキャリアの縛り

    契約の更新月と端末の割賦料金支払い完了月とがずらされているため(さらに言えば、日割りと月末締めも使い分けられている)、何らかの料金を払わずに契約を変更するタイミングが難しく、機種変更を行う限り、何年経っても延々と同一キャリアに縛られ続けてしまうという2年縛りの弊害は、しばしば問題となっています。
     
    総務省での有識者会議によって、更新月にはユーザーにメールで知らせるなどの対処をキャリアに行うよう指示が出ていますが、根本的な解決には至っていません。

    2年縛りはまだまだ序の口?

    ところが、日本経済新聞の報道によれば、各キャリアが今後電力会社や保険会社などと業務提携することで、2年縛りどころか「35年縛り」「一生縛り」なるものが訪れてもおかしくないそうです。
     
    スマートフォン料金と家庭の電気料金をセット払いに、さらに光インターネット回線もセットにすることで、家計への負担額が減るというと聞こえがいいですが、「同じ家に住み続ける限りは同一キャリアにしておいた方がお得」となれば、これは一種の縛りでしょう。
     
    また、NTTドコモが日本生命と業務提携したことを例に出して、日本経済新聞は、「より良い保険に入るならドコモユーザーになった方がお得」といったような施策が今後ドコモに限らず、各キャリアで行われる可能性を示唆しています。他にもキャリアと住宅ローンとの組み合わせも取り沙汰されるなど、「買ったスマホで、その後の人生を左右され」てしまうケースが想定されています。

    世の中にもお得な「一生縛り」は溢れている

    ただし、キャリアの肩を全面的に持つわけではないですが、このような超長期縛りが果たして悪いことなのでしょうか。
     
    通常よりもお得になるパッケージを選ぶことは理にかなっていますし、何かを選ぶことによって一生が左右されることは、車や保険、住宅と、キャリア以外にも様々なケースが存在します。この論理が通用するのであれば、家電量販店のポイントシステムも、一種の「一生縛り」とすら言えるでしょう。
     
    キャリアが必ずしも消費者の方向を向いていないことは確かですが、スマートフォンと組み合わせるパッケージを採用することで、鬼の首を採ったように批判する本記事は、残念ながら一種の「煽り」のようにも思えてなりません。
     
     
    Source:日本経済新聞
    (kihachi)

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