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Appleが低予算の研究開発費で最先端技術を手にしている理由

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Apple研究開発費は収益の3.5%と、GoogleやFacebookなどのシリコンバレー企業と比較してかなり少ないことが知られていますが、研究開発費を抑えつつも最先端技術を手にしている理由が明らかとなりました。

収益に占める研究開発費の比率、Googleは15%、Facebookは21%、Appleは3.5%

すでに公道上で自動運転車の試験走行を行なうなど、多くの未来的技術を研究しているGoogleは、660億ドル(約8兆円)の収益に対し15%にあたる92億ドル(約1兆1,000億円)を研究開発費に投じています。
 
宇宙旅行や、世界中にインターネットを提供するという、SNS企業の枠にとどまらない壮大な研究を続けるFacebookは、125億ドル(約1兆5,000億円)の収益に対し21%となる26億ドル(約3,200億円)を研究開発に使っています。
 
チップメーカーのクアルコムは、253億ドル(約3兆円)の収益の22%にあたる56億ドル(約6,800億円)と、やや研究開発費の比率が高くなっています。
 
一方、Appleの研究開発費は、2,330億ドル(約28兆円)という圧倒的な収益額に対して3.5%となる81億ドル(約9,800億円)と、他の企業と比べると研究開発費の割合が小さいのが目立ちます。

Appleが研究開発費を抑えられる理由は?

技術系企業にとって、研究開発への投資は生命線と言われています。
 
Macを発表した当時、スティーブ・ジョブズCEOは「研究開発費の予算とイノベーションは全く無関係だ」と語りました。これは、当時のコンピュータ業界の巨人、IBMがAppleのおよそ100倍もの予算を研究開発に投じていたことに対する皮肉でした。
 
Appleが研究開発費をここまで低く抑えている理由は何でしょうか?
 
低予算の研究開発費で成功を収めた企業の研究を専門とする、テンプル大学ビジネススクールのRam Mudambi教授は、Appleは半導体製品のような重要部品の進化を、サプライヤーに頼っている部分が大きい、と分析しています。
 
2014年の一年間に世界で2億3,000万台ものiPhoneを販売したAppleは、今後1年間で295億ドル(約3兆5,500億円)をチップ、画面、カメラモジュール、グラフィックプロセッサーといった部品の購買に費やす計画です。
 
採用が決まれば大量の販売が見込めるAppleの規模は、サプライヤーにとって大きな魅力であり、新技術の研究開発に躍起になる構図ができているとMudambi教授は見ており、「サプライヤーたちはAppleとの取引を獲得するために競い合い、その過程で多くの研究開発費を使っている」と語っています。
 
つまり、Apple自身が研究開発に巨費を投じなくても、サプライヤーが研究開発した成果を、Appleに納め続けている、というわけです。

増加を続けるAppleの研究開発費。内容はiPhoneの心臓部、そして自動車?

一方、Appleはすべてをサプライヤーに委ねているわけではありません。Appleの研究開発費は、2013年の45億ドル(約5,500億円)から2014年の60億ドル(約7,200億円)、2015年の81億ドル(約9,800億円)と、増加を続けています。
 
研究開発費を最も多く割いているのは、Appleの独自開発でiPhoneやiPadの心臓部であるAシリーズチップとみられます。最新型のA9チップは、現在流通しているチップの中で最速の性能を誇っており、Appleの研究開発の成果と言えます。
 
また、Appleはチップ開発部門の従業員を増やし続けており、11月20日現在、チップのエンジニアやデザイナーの職名で135名もの求人を行っています。
 
増加を続けるAppleの研究開発費の背景には、2020年頃に発表されるとの噂もある電気自動車開発などがあるかもしれません。
 
150億ドル(約1兆8,000億円)を投じて2016年の完成に向けて建設中のApple新社屋、Apple Campus2には大規模な研究開発施設も備えられているようですので、今後、さらに研究開発費が増大することが見込まれます。

広告・マーケティング費用はGoogleの3分の1!

華やかに見えるAppleの広告・マーケティングですが、Appleが過去1年間で費やした広告・マーケティング費用は35億ドル(約4,200億円)で、Googleが1年の75%である3四半期に88億ドル(約1兆600億円)を投じたのと比べると、少額となっています。
 
Googleの 広告・マーケティング費用を1年間分に単純換算すると、約117億ドル(約1兆4,000億円)となり、Appleのおよそ3倍に相当します。
 
「研究開発は、成果が研究室から世に出ないと意味がない」と語る、セントジョセフ大学ビジネススクールのTim Swift教授は、「Appleの製品は、史上最も効果的で洗練されたマーケティングにより販売されているのかもしれない」「そして、Appleは最も効果的な研究開発費の使い手とも言える」と述べています。
 
以前、AppleがGoogleやマイクロソフトと比べて研究開発費を抑えつつ、利益や時価総額で他社を圧倒していることをご紹介しましたが、噂の自動車開発が進むとみられる今後、その構造に変化はあるのでしょうか。
 
 
Source:Bloomberg
(hato)

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