MediaTek、Dimensity 9000を発表~A15と同等の性能とアピール

MediaTek Dimensity 9000の画像

MediaTek Dimensity 9000の画像
 
スマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)シェア首位のMediaTekが新しいフラッグシップチップ「Dimensity 9000」を正式発表しました。
 
このDimensity 9000は、AppleのA15 Bionicと同等のCPU性能と、GoogleのTensorチップを超えるAI性能を発揮するとMediaTekはアピールしています。

Dimensity 1200に比べてスペックが大幅に向上

Dimensity 9000の主なスペックをMediaTekの旧フラッグシップSoCであるDimensity 1200と比較すると、以下のようになっています。
 

Dimensity 9000 Dimensity 1200
CPU Cortex-X2 x 1(@3.05GHz) + Cortex-A710 x 3(@2.85GHz) + Cortex-A510 x 4(@1.8GHz) Cortex-A78 x 1(@3GHz) + Cortex-A78 x 3(@2.6GHz) + Cortex-A55 x 4(@2GHz)
GPU Mali-G710 Mali-G77
AI処理 APU 5.0(6コア) APU 3.0(6コア)
ディスプレイのリフレッシュレート 180Hz(FHD+解像度時) 168Hz(FHD+解像度時)
製造プロセス 4nm 6nm

 
Dimensity 1200がミドルハイエンドクラスのSoCであったのに対し、Dimensity 9000はトップクラス仕様を備えたハイエンドSoCであるといえます。

A15 Bionicと同等のマルチコア性能、Tensorチップを超えるAI性能

MediaTekはDimensity 9000について、AppleのA15 Bionicと同等のマルチコア性能と、GoogleのTensorチップを16%上回るAI処理性能を誇るとしています。
 
また、AnTuTuベンチマークテストで100万点を超えるスコアを達成したとしており、以前のリーク情報は正しいものであったようです。
 
さらに、Qualcommの現行フラッグシップSoCであるSnapdragon 888に対しては、性能が35%、電力効率が60%高いとしています。

Dimensity 9000搭載スマートフォンは2022年第1四半期までに登場

このDimensity 9000を搭載したスマートフォンについてMediaTekは、2022年第1四半期(1月~3月)までに登場するとしています。
 
今のところ、XiaomiやVivoを始め、少なくとも6つのスマートフォンブランドがDimensity 9000を採用するといわれています。
 
このチップの競合となるのは、QualcommのSnapdragon 8 gen1SamsungのExynos 2200、そしてAppleのA16 Bionicといった製品ですが、これらとの仕様やベンチマークスコアの比較が楽しみです。

 
 
Source: Android Central, Android Authority
(ハウザー)

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この記事を書いた人

本職はSoCの設計者。このためPCやスマホのHW/SW両方に造詣が深く、その知見に基づいた記事を執筆している。スマホ歴はiPhone4→(Android)→iPhone XR→13 Pro。

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