Tensorチップ、AI処理性能でA15 Bionicに負ける~Geekbench

    Pixel 6の画像

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    GoogleのPixel 6/6 Proに搭載されたTensorチップは、高い人工知能(AI)性能を備え、それによって強力なカメラ機能や翻訳機能を実現しています。
     
    しかしながら、Geekbenchの機械学習ベンチマークを実行したところ、TensorチップのスコアはAppleのA15 Bionicに劣るものであったことがわかりました。

    機械学習スコアでA15 Bionicに劣ったTensor

    機械学習性能のベンチマークであるGeekbench MLを、GoogleTensorチップとAppleのA15 Bionicに対して実行した結果は以下のようになりました。
     

    Tensor A15 Bionic
    TensorFlow Lite(CPU) 307 939
    TensorFlow Lite(GPU) 1,428 2,268
    Neural Accelerator 1,720 2,727
    Total 3,455 5,934

     
    この総合性能(Total)のスコアを単純に比較すると、A15 BionicはTensorチップに対してAI処理性能が約71%高いということになります。

    AIにおいて処理性能とユーザー体験は別物

    ただし、CPUやGPUと異なり、AIでは処理性能とユーザー体験は別物です。
     
    たとえ素晴らしいAI処理性能を備えていたとしても、それを活かす応用がなければ意味がありません。
     
    また、AI処理は使用するモデルが重要であり、そのモデルを効率的に演算処理できるかどうかがAIアクセラレータの肝となります。
     
    その意味で、AIに関して膨大なノウハウを持ち、その知見に基づいたハードウェアになっているであろうTensorチップは、Geekbenchの結果だけではA15 Bionicに対してAI処理の観点で劣っているとはいえません
     
    GoogleもTensorチップに関して、「ベンチマーク性能ではなく体験を重視した設計」であるとしています。

     
     
    Source: Notebookcheck via Gizmochina
    (ハウザー)

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    この記事を書いた人

    本職はSoCの設計者。このためPCやスマホのHW/SW両方に造詣が深く、その知見に基づいた記事を執筆している。スマホ歴はiPhone4→(Android)→iPhone XR→13 Pro。

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