Appleシリコン対Intel CPU〜コスト、性能で大きな差

    Appleシリコン

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    Appleが6月の世界開発者会議(WWDC 2020)で発表したAppleシリコンのコストは100ドル未満で、台湾TSMCの5nmプロセス技術を用いて生産されると、調査会社TrendForceが伝えています。

    Appleシリコンの量産開始は2021年第1四半期

    TrendForceの調べによると、TSMCの工場の生産能力は、2020年中は主にiPhoneとiPad向けチップ製造に充てられます。現在は、秋に発売されるiPhone12シリーズ向けのA14 Bionicシステムオンチップ(SoC)の量産がスタートしているうえに、2020年第3四半期(7月〜9月)には、2021年発売見込みの新型iPad向けのA14X Bionic SoCの少量生産が始まるからです。
     
    そのため、Mac向けSoC、すなわちAppleシリコンの量産が始まるのは2021年第1四半期(1月〜3月)で、搭載機が市場に多く出回り始めるのは2021年第2四半期(4月〜6月)になるだろうと、TrendForceは予想しています。
     
    Appleは初代Appleシリコン搭載Macを、年内に出荷開始すると発表しています。

    コストと性能で優位に立つAppleシリコン搭載Mac

    AppleがIntel製CPUからARMベースのAppleシリコンへの切り替えを決めた理由は複数あり、そのひとつは2015年に導入されたSkylakeの品質の低さにあった、とIntelの元エンジニアが証言しています。
     
    そしてTrendForceは、コストも重要な要因になったと指摘しています。同社の見積もりによると、TSMCの5nmプロセスで製造されるMac向けAppleシリコンのコストは100ドル未満です。一方、10nmプロセスで製造されているIntel Core i3プロセッサの現在の価格は200ドル〜300ドルです。
     
    しかも2021年に出荷開始見込みのIntelプロセッサもまた、10nmプロセスで製造される見通しです。これに対しAppleシリコンは5nmプロセスで製造されるため、Intelチップと比べ性能が大幅に向上します。Appleシリコンを搭載したMacはIntel CPU搭載の他社製品に対し、高性能・低消費電力で優位に立つだろうと、TrendForceは述べています。

     
     
    Source:TrendForce
    (lunatic)

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