Zoom、有料ユーザーのみが暗号化オプションを利用できると発表

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    急速にユーザー数を増やしているテレビ会議サービス「Zoom」は、セキュリティ向上の要請を受け、有料ユーザーや教育機関などの組織を対象にエンドツーエンド暗号化の導入を計画していることを明らかにしました。

    拡がったZoom爆撃の被害

    新型コロナウイルスのパンデミックを契機に自宅学習やリモートワークが増加したことにより、以前の20倍以上のユーザーを獲得した「Zoom」ですが、予期せぬビデオ会議参加者による嫌がらせ行為「Zoom爆撃(Zoom Bombing)」が横行しており、セキュリティ上の脆弱性が以前から指摘されていました。
     
    シンガポールでは、教師がZoomで10代の女生徒に対してオンライン授業を行っていたところ、見知らぬ男たちが性的なコメントをし、卑猥なものを見せてきたと報告されており、台湾やドイツの政府機関や一部のテック企業でZoom禁止令が出されるに至りました。

    有料ユーザーのみが暗号通話を利用可能

    セキュリティ強化を迫られてきたZoomですが、同社は現地時間の5月29日、有料ユーザーと教育機関などの組織のみがエンドツーエンド暗号化を利用できるようになる、と発表しました。
     
    Zoomでセキュリティコンサルタントを務めるアレックス・ステイモス氏(前Facebook)は、「有料ユーザーのみが暗号化された通話を利用可」とした理由を次のように説明しています。
     

    すべてのZoomミーティングに暗号をかけた場合、Zoomの信頼・安全チームがリアルタイムで通話に介入し、嫌がらせ行為を規制することができなくなる。

     
    エンドツーエンド暗号化の導入で、通話者同士のみが内容を把握できるようになりますが、安全性が向上する反面、電話からのミーティング参加ができなくなるなど、デメリットも存在します。
     
    完全に暗号化されたサービスを高価格で提供しても事業者にとって利益につながりにくい、とReutersはコメントしており、中間地点を探らなければならなかったZoomの葛藤に一定の理解を示しています。
     
    Zoomの広報担当者によれば、暗号化機能は「現在実装中」であるとのことですが、具体的なタイムラインは明かされていないようです。
     
     
    Source:Reuters
    (lexi)

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    この記事を書いた人

    ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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