「格安SIM」はどのくらい快適?MM総研、11サービスの調査結果を発表

    iPhone5sとSIMカード

    iPhone5sとSIMカード
     
    MM総研は2月25日、「MVNOネットワーク品質調査結果」を発表しました。「格安SIM」と呼ばれるMVNOとサブブランドの合計11サービスについて、通信速度だけでなく、Web表示速度、動画再生、アプリダウンロードなども調査しています。

    MVNOとサブブランド11サービスを調査

    MM総研の調査では、MVNOサービス6事業者とサブブランド2事業者の総計11サービスについて、以下の6項目を調査し、各項目を5段階評価(5が満点)で評価しています。
     

    • Webサイト表示
    • マップ表示
    • 動画再生(動画再生時の遅延、動画再生途中での停止・画質)
    • ギガ消費(動画再生時のザッピングをした際のデータ消費量)
    • アプリダウンロード
    • 通信速度

     
    MM総研「MVNOネットワーク品質調査結果」
     
    調査は東京都港区で、2020年2月4日と5日の両日、8時30分前後、12時30分前後、19時30分前後の時間帯に実施しています。端末は、SIMフリーモデルのiPhone8をSIMと同数使用しました。
     
    調査対象となったのは、以下のMVNO及びサブブランド、11サービスです。
     

    • ドコモ回線(楽天モバイル、IIJ mio、OCNモバイルONE、mineo、BIGLOBEモバイル、LINEモバイル)
    • au回線(UQモバイル、BIGLOBEモバイル、mineo)
    • ソフトバンク回線(Y!mobile、LINEモバイル)

     
    各調査とも、調査の前に履歴やキャッシュを削除したうえで計測しています。

    Webサイト、マップは大半のサービスでスムーズに表示

    Webサイト表示テストは、MM総研のホームページを表示するまでの時間を測定しています。
     
    回線が混雑するお昼の時間帯に、10秒未満で表示できたのは、ドコモ回線ではOCNモバイルONE、au回線ではUQモバイル、BIGLOBEモバイル、ソフトバンク回線ではY!mobileの各サービスでした。
     
    朝と夜の時間帯は、ほとんどのサービスが10秒以内に表示できています。
     
    「新宿」を検索し表示にかかる時間を測定したマップ表示テストでも、同様の結果となりました。
     
    MM総研「MVNOネットワーク品質調査結果」
     

    動画は再生中にも画質が変化

    動画再生テストでは、YouTubeアプリで動画を再生し、遅延の有無、再生停止の有無、再生時の画質を比較しています。
     
    結果、11サービス中、ドコモ回線のLINEモバイル以外の10サービスで停止や遅延のない再生が可能でした。ただし、動画再生中にもネットワーク状況により画質の変化が見られました。
     
    動画再生時の「ギガ消費」テストは、4分10秒の動画3本をそれぞれ30秒再生したら次の動画を再生し、消費したデータ通信量を比較しています。
     
    高画質(720p)で再生していた各サービス(ドコモ回線のmineo、au回線のUQモバイル、BIGLOBEモバイル、mineo、ソフトバンク回線のY!mobile)でデータ通信量が大きくなりました。
     
    MM総研「MVNOネットワーク品質調査結果」
     
    アプリダウンロード速度テストは、約80MBのアプリをダウンロード完了するまでの時間を比較しています。
     
    120秒未満でダウンロードできたのは、ドコモ回線のOCNモバイルONE、au回線のUQモバイル、BIGLOBEモバイル、ソフトバンク回線のY!mobileの4サービスで、うち2サービスはサブブランドが占めました。

    大半のサービスが1.0Mbps以上をクリア

    通信速度は、「Speedtest by Ookla」アプリを使用して10回の中央値で比較しています。
     
    一般的なWebサイトを表示するのにストレスを感じないレベルとなる1.0Mbpsは、大半のサービスがクリアしています。
     
    ドコモ回線のOCNモバイルONE、au回線のUQモバイル、ソフトバンク回線のY!mobileは、各時間帯とも10Mbps以上を記録しています。
     
    MM総研「MVNOネットワーク品質調査結果」
     

    各社ともWeb閲覧なら問題ないレベルに

    MVNO各社は、大手キャリアの回線を借りてサービスを提供するため、通信速度や安定性の面で見劣りするとのイメージを持たれがちです。
     
    しかし、各サービスとも、Webやマップの表示なら問題なく利用できるレベルに達しており、数年前よりも快適に利用できるようになっていると言えます。
     
    動画再生時の画質や消費するデータ通信量によって差が出ましたが、画質を優先するか、データ消費量の節約を優先するかは、ユーザーの考え方・使い方に大きく左右されそうです。
     
    MM総研は、各サービスが利用する回線ごとに調査結果を整理したレーダーチャートも公開しています。
     

    ドコモ回線の各サービス

    MM総研「MVNOネットワーク品質調査結果」
     

    au回線の各サービス

    MM総研「MVNOネットワーク品質調査結果」
     

    ソフトバンク回線の各サービス

    MM総研「MVNOネットワーク品質調査結果」
     
     
    Source:MM総研
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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