スマホ決済、利用率は全体の16.4%、約半数が「アプリ入れたが使っていない」

    Apple Pay

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    MMD研究所は、「2019年9月スマートフォン決済に関する実態調査」の結果を発表しました。スマホ決済を普段の決済方法として利用している割合は、全体の16.4%でした。モバイルSuicaなどの非接触・タッチ式と、PayPayなどのQRコード式での利用頻度や利用金額の傾向に違いも見られます。

    「スマホ決済」利用率が最も高いのは30代で21.4%

    MMD研究所の「2019年9月スマートフォン決済に関する実態調査」は、2019年8月9日~8月18日の期間、18歳~69歳の男女を対象にインターネットで実施され、37,040人から有効回答を得ています。
     
    普段の支払い方法(複数回答可)は、「現金」90.5%がトップで、以下「クレジットカード」71.3%、「カード型電子マネー」47.1%と続き、「スマホ決済」は16.4%でした。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     
    普段の支払い方法を年代別に見ると、「クレジットカード」は年齢が上昇するとともに増加しています。
     
    「スマホ決済」は、30代の21.4%が最も高くなっています。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     

    利用したい決済方法、「スマホ決済」は10.6%

    最も利用したい・利用してみたい支払い方法は、「現金」が39.4%でトップ、次いで「クレジットカード」が37.4%で続きました。
     
    「スマホ決済」10.6%と「カード型電子マネー」10.3%がほぼ同率となっています。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     
    年代別では、「現金」の割合が年齢が若いほど高く、「クレジットカード」の割合が年齢が高いほど上昇しています。
     
    「スマホ決済」の割合は、30代で13.0%、20代で12.0%、40代で11.5%、10代で11.3%と、10代〜40代で10%を超えています。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     

    全体の半数弱「アプリ入れたが使っていない」

    スマホ決済アプリのインストール率上位のサービスについて、利用状況を聞いたところ、全体の46.8%と約半数が「アプリをインストールしたが利用していない」と回答しています。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     
    何らかのスマホ決済サービスを利用している回答者が、最も利用しているスマホ決済サービスは「PayPay」が26.7%でトップでした。
     
    以下、「LINE Pay(コード決済)」12.1%、「楽天ペイ」11.6%、「d払い」10.7%などと続いています。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     

    スマホ決済、QRコード決済は利用金額が少なめ

    スマホ決済を利用している回答者が、スマホ決済1回あたりに抵抗なく使える金額は「1,000円~3,000円未満」が26.1%で最も多く、次いで「1,000円未満」が19.2%でした。「どんな金額でも抵抗はない」は15.2%でした。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     
    メインで利用しているスマホ決済サービスで、「QRコード決済利用者」(n=4,356)と「非接触決済利用者(n=1,727)で利用金額を見ると、QRコード利用者の方が少額の傾向があります。「1,000円未満」は、QRコード決済利用者で20.3%に対して、非接触決済利用者で16.4%です。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     
    3,000円以上の支払いに抵抗を感じる、と回答した人に、その理由(複数回答可)を聞いたところ、トップは「使いすぎてしまいそう」が49.1%でトップでした。
     
    以下、「残高に3,000円以上チャージしていない」27.6%、「お金の管理がしにくい」16.2%などと続いています。
     
    「カード番号など、個人情報が流出してしまうのではないか」とセキュリティ面の不安に関する理由も、13.1%の回答者から挙げられています。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     

    「非接触・タッチ式」の利用頻度、「QRコード」より高い傾向

    スマホ決済を利用する頻度を、メインで利用するタイプ別に見ると「非接触・タッチ式」派は「2~3日に1回以上」の頻度で利用している割合が33.7%、「QRコード」派の27.7%と、「非接触・タッチ式」派の利用頻度が高い傾向がうかがえます。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     

    スマホ決済の利用場所はコンビニがトップ

    スマホ決済利用者に、スマホ決済を普段利用している場所を聞いたところ(複数回答可)、「コンビニ」が76.9%でトップ、以下「ドラッグストア」45.9%、「スーパー」28.6%などと続きました。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     
    スマホ決済を利用していない人も含めた全員に、スマホ決済を利用したい場所を聞いたところ(複数回答可)、「コンビニ」が37.4%でトップ、以下「スーパー」27.9%、「ドラッグストア」23.8%などと続きました。
     
    利用している場所では9位だった「自動販売機」(18.4%)が、利用したい場所では4位(21.8%)に上昇しています。また、利用している場所では6.1%だった「公共料金の支払い」が、利用したい場所では14.6%に上昇するなどの変化が見られます。
     
    MMD研究所 「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」
     

    消費増税の影響でスマホ決済の利用度、どこまで上がる?

    スマホ決済は、2018年から2019年にかけて、各社が相次いで実施した大規模キャンペーンもあって注目を集めました。
     
    それでも、スマホ決済を普段の決済方法として利用しているのは、全体の16.4%、最も利用率が高い30代でも21.4%にとどまっています。
     
    10月の消費税増税に伴いキャッシュレス決済利用者特典が開始されますが、レジでの所要時間が短くて済むという利便性が広く認識され、PayPayd払いなどスマホ決済各社による補償制度によりセキュリティ面での不安が軽減されることで、今後、スマホ決済がどこまで拡大するか、引き続き注目が集まりそうです。

     
     
    Source:MMD研究所
    Photo:Apple
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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