キヤノンがAppleを買収?24年前には大真面目だった噂

    キヤノン canon ロゴ

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    日本企業キヤノンAppleを買収するかも知れない――。2019年ではにわかに信じがたいような噂話が、今からちょうど24年前の1995年4月には大真面目に語られていました。

    業績が低迷していたApple

    Appleの業績は低迷を続けていました。特に創業者のスティーブ・ジョブス氏が復帰する前の数年は“暗黒時代”とも呼ぶに相応しく、右肩下がりの業績を改善するために迷走を続けていました(ニュースサイトWIREDは「OSのライセンス提供」をその代表格としています)。特にジョブズ氏が復帰する直前、Appleの資金は3カ月分しか残っておらず、破産まで秒読み段階といった有様でした。
     
    そうした状況を思えば、キヤノンによるApple買収の噂は、さぞかし市場関係者の間で真実味を持って受け止められたことでしょう。両社は関係を否定、話し合いの機会を設けてもいないとしましたが、ニュースサイトCult of macによれば、当時のApple株価35ドル(約3,850円)に対し、キヤノンは54.5ドル(約6,000円)で買収をオファーしている、との観測が浮上していたそうです。

    無縁ではなかった両社

    実際、キヤノンとAppleは全く関係がないというわけでもなく、Macintoshの開発プロジェクトを率いたジェフ・ラスキン氏と協力し、「Swyft(Swiftではない)」と名のつくインターフェイスを搭載したコンピュータ「キヤノン・キャット」を世に送り出しています。他にもスティーブ・ジョブス氏が創設したNeXTに対し、キヤノンは89年に1億ドル(約110億円)、91年に1,000万〜2,000万ドル(約11億〜22億円)、92年に5,500万ドル(約60億円)を出資しています。また、NeXTも93年にキヤノンへハードウェア事業を売却しています。
     
    ちなみに、キヤノンの提示した株価で見積もった時価総額は65億ドル(約7,150億円)ですが、現在のAppleが1兆ドル(約110兆円)企業とされているのを思うと、なんとも感慨深いですね。なお、キヤノンのほかにもIBMやSun Microsystems(2010年Oracleに吸収合併)、Compaq(2002年Hewlett-Packardが買収)、ソニー、Philips、東芝の名前が売却先として挙がっていたそうです。
     
     
    Source:Cult of Mac,WIRED
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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