Appleが研究開発に大きく投資するワケ

    ティム クック

    ティム クック
     
    Appleは、わずか3カ月で多くのテック企業が1年がかりで生み出す以上の収益を上げる、類まれな企業となっていますが、その成功の裏には、カテゴリーを代表するような製品の連発と、常にライバル企業より数歩先に居続ける実行力があるといわれています。テック企業の進退は激しく、一度大きな利益を上げたと思えば、のちに見る影もなくなっていることも多々ありますが、Appleは研究開発に大きく投資することで最前線に立ち続けてきました。

    伸び続けるAppleの研究開発費

    Appleは2018年第2四半期(1-3月)、33.78億ドル(約3,734億円)研究開発費に充てたことがわかっています。前年同期比で実に21.7%の増加となっています。2018年上半期の研究開発費が20.1%増であったことを考えると、第2四半期は第1四半期よりもさらに開発費投資を加速させたことがわかります。
     
    Appleによれば、研究開発費の増加は拡大する研究開発活動の人件費およびその他コストによるところが大きいとのことです。
     
    「研究開発への投資は、将来的な成長と、市場での競争的ポジションの確保に欠かせない。新製品・サービスや製品アップデートは、企業の中核的戦略となっている」と、Appleはコメントしています。
     
    Appleの研究開発費の振り分けは明らかになっていませんが、投資家には一定の情報を提供しているようです。

    研究開発費は何に投じられているのか?

    Appleの製品カテゴリーは年々広がっており、新分野での競争的ポジションを維持するためにも研究開発への投資は欠かせません。Appleはディスプレイやチップなど、技術の内製化も進めており、依然として新たな領域にもチャンレンジし続けています。
     
    企業を単に運営しようと思えば、一定レベルの研究開発を維持し、従業員の給料を上げつつ、現在の製品ラインを反復すればよいだけのことですが、長期的な繁栄というものを考えると、それだけでは不十分です。
     
    既存の製品カテゴリーの幅を広げるにはコストがかかりますが、これにより現在のシェアを守るだけでなく、既存のカテゴリー内でのさらなるシェア拡大の可能性も生まれます。さらにAppleは、iPhoneなど確立された製品にさらに技術投資することで、平均販売価格を高めています。iPhone Xの発売によりiPhoneの平均販売価格が大きく上昇したのが良い例です。
     
    Appleは技術の内製化にも力を入れていますが、その努力はより差別化された、ユニークなイノベーションへと繋がっていくでしょう。ライバル社がAppleの技術を模倣し始めれば、次の大きなイノベーションに移っていけばよいのです。
     
    そしてAppleは、次世代の製品カテゴリー探索も行っています。AirPodsやHomePodのようなアクセサリー製品だけでなく、Apple Watchのような大きな影響力を持つ製品に発展する可能性もあります。Appleのその他カテゴリーの製品はすでに大きな収入源になっています
     
     
    Source:The Motley Fool
    (lexi)

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