iPhone Xのノッチが美しい理由

    iPhone X Apple 公式

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    iPhone Xの画面上部に配置されたノッチ(切り欠き)は、iPhone Xを模倣して続々と発売されたAndroidスマホのノッチに比べて美しく見える、と感じた海外メディアBGRの記者が、その理由を解説しています。

    発表直後に議論と戸惑いを呼んだiPhone Xのノッチ

    iPhone Xが発表された当時、画面上部にノッチ(切り欠き)があるデザインは議論を呼びました。フロントカメラや各種センサーが埋め込まれた、見慣れないノッチに、ユーザーは戸惑いました。Appleからノッチへの対応を求められた開発者たちも、同様に戸惑いました。
     
    しかし、iPhone Xが発売され、ユーザーたちが実際にiPhone Xを使い始めると、多くのユーザーはノッチを邪魔と感じなくなり、発売後数週間でノッチをめぐる議論は沈静化しました。

    数多くのAndroidスマホがノッチを模倣

    その一方で、iPhone Xの後を追う多くのAndroidデバイスが、ノッチのあるデザインを採用し始めます。
     
    ノッチ スマートフォン Twitter
     
    BGRのヨニ・ハイスラー氏は、一見どれも同じに見えるノッチ部分のデザインについて、iPhone Xのノッチは目になじむのに対して、Androidスマートフォンは全体的にバランスが悪いものが多い、と感じていました。
     
    ハイスラー氏は、デザイナーのブラッド・エリス氏が1月にMediumに投稿した、iPhone Xのノッチ部分のデザインについての解説を読み、合点がいったそうです。

    Apple製品が持つ、独特の曲線美

    エリス氏によると、iPhone Xのディスプレイの角に使われている曲線は、単純に円を4分割した曲線ではなく、Apple製品に多く見られる、「squircle」(正方形を意味するsquareと円を意味するcircleの合成語)と呼ばれる独特の曲線を描いているそうです。
     
    squircle iOS7 デザイン Hackernoon
     
    それは、直線から曲線へとの移行開始が4等分した円の曲線よりも早く、なだらかな曲線を描くという特徴があります。その違いは以下のGIFアニメで比較できます。
     
    iPhone X ノッチ デザイン Medium
     
    Appleは以前から、iMacやMacBookシリーズのデザインに、見た人に美しさを感じさせる「squircle」の曲線を取り込んでいました。そして、デザインが大幅に刷新されたiOS7で、アプリアイコンも「squircle」を用いたデザインに変更されています。
     
    squircle iOS7 デザイン Hackernoon
     
    iPhone Xのノッチ部分は、「squircle」の曲線を組み合わせて構成されているため、接線を引こうとしても、表面に垂直に交差する接線が引けない、という特性があります。
     
    iPhone X ノッチ デザイン Medium

    細部へのこだわりが、Appleを独自の存在に

    エリス氏は、「これらは些細な違いに思えるかもしれないが、デザインの観点からは非常に重要なこと」「こうした細部へのこだわりが、Appleが他の企業と違う存在であり続けられる理由だ」と指摘しています。
     
    iPhone Xのノッチが目になじむ理由は、Appleがこだわり続ける、独自の曲線が持つ美しさによるものだった、というわけです。

     
     
    Source:BGR, Medium, Hackernoon
    Photo:Twitter( @heling1682002 )
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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