iPhoneの原価、6年で2倍に上昇していた

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    iPhone X 原価 IHS Markit
     
    iPhone Xの価格が999ドル(日本国内では112,800円)と知った時、ユーザーの何割かは「どうしてiPhoneはこんなに高くなったのだろう」と感じたかも知れません。しかし、Appleが理由もなく値上げしているわけではないのです。6年間でiPhoneの製造コストは2倍にも上昇しています。

    iPhone Xのコストが高いわけ

    研究開発費や広告宣伝費、流通費などを除外し、単純に部品コストだけに着目すると、iPhone Xの原価は370.25ドル(約41,460円)ほどになると見積もられています(IHS Markit調べ)。
     
    しかし、2011年に発売されたiPhone4sの16GBモデルの製造コストが196ドル(約21,950円)ほどであることを思うと、わずか6年間でコストは2倍前後にも上昇した計算です。以下のグラフは、リサーチ企業Statistaが2011〜2017年までのiPhoneのコストを比較したものです。
     
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    図を確認すると、iPhone8 PlusとiPhone Xの2モデルが、それ以外に比べて突出していることが分かります。iPhone8 Plusについては、iPhone7 Plusが掲載されていないので不明ですが、デュアルカメラを搭載したぶんだと推測できます。
     
    またiPhone Xについては、デュアルカメラに加え、有機EL(OLED)ディスプレイを採用していることが原因とされ、実に部品コストの3分の1を占めている(約110ドル)という試算もあります。

    部品コストは2倍に上昇も販売価格は1.5倍

    ちなみに、iPhone4sはアメリカで発売当初、SIMフリー版が649ドル(約72,600円)でした。
     
    そうした上で販売価格を考えると、製造コストが196ドルからiPhone Xで370ドルと2倍近くに跳ね上がったのに対し、価格の上昇幅は649ドルから999ドルと1.5倍ほどに抑えられていることが分かります。また、部品コスト(製造コスト)を抜いたAppleの取り分も、約450ドル〜600ドル(約50,000円〜67,200円)と、ほぼ一定となっていることも確認できます。
     
    理由もなく、いたずらに販売価格が上昇していく、というわけではないのです。
     
     
    Source:Phone Arena,IHS Markit
    (kihachi)
     
     

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