豪政府、iPhoneのiMessageなどの暗号化解除を命令できる法案を提出へ

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    オーストラリア政府は、AppleやGoogle、Facebookなどが提供するメッセージサービスの暗号化を、捜査機関の命令によって解除することを義務づける法律を11月にも成立させる方針です。

    組織犯罪の65%では何らかの暗号化が使われている

    現在、オーストラリアの電話会社は、裁判所の捜査命令があれば通話内容を捜査機関に提供することが義務付けられています。マルコム・ターンブル首相は、エンド・トゥ・エンドの暗号化が施されているAppleのiMessageなどの暗号化を解除させる法律の成立を目指しています。
     
    ターンブル首相は「捜査機関がテロリストやドラッグの密売人、幼児性愛者らの捜査を進めるうえで、高度な暗号化が障壁になっている」として「テクノロジー企業の協力が必要だ」と、捜査上の必要性を強調しています。
     
    オーストラリア連邦警察によると、監視対象のメッセージの暗号化率は最近3年間で3%から55%へと急増しているそうです。また、テロや幼児性愛といった組織犯罪のうち65%では何らかの暗号化が用いられています。

    法務長官「バックドアとは異なる」

    世界的にテロの脅威が高まる中、イギリスでも同様の法律が可決されていますが、オーストラリアの法案は、海外企業にメッセージの暗号化解除を命令可能という点で一歩踏み込んだ内容となっています。
     
    オーストラリアの法務長官、ジョージ・ブランディス氏は、新法はメッセージ解読のためにバックドアを設ける必要がないため、プラットホーム全体のセキュリティレベルを落とす必要がない、と利点を強調しています。

    2016年、FBIの要求を拒絶したApple

    2016年はじめ、銃乱射事件の捜査に必要として、犯人が持っていたiPhoneのロック解除を迫るFBIの要求を、Appleはユーザーのプライバシーとセキュリティ保護の重要性を掲げて突っぱねました
     
    この時Appleは、「一部のiPhoneのセキュリティに穴を開けることは、数多くのiOSユーザー全員を危険にさらすことにつながる」、と主張していました。

     
     
    Source:AP News via AppleInsider
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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