35年前、世界初のウイルスがApple Ⅱに現れた

    Elk cloner apple Ⅱ

    apple 2 フリー素材 wikipedia
     
    コンピューター・ウイルスの起源は35年前、Apple Ⅱを対象とした「Elk Cloner」にまで遡ります。しかし、このウイルスは、個人情報を抜き去ったり、ハードディスクを破壊したりするような最近のものとはかけ離れた、今から思えば「可愛らしい」内容でした。

    50回目の起動で「詩」を朗読!

    世界初のコンピューター・ウイルスと言われる「Elk Cloner」を作ったのは、当時15歳だったリック・スクレンタ氏です。感染したフロッピーディスクをApple Ⅱに挿入すると、「Elk Cloner」のコピーがメモリーに保存され、未感染のディスクに次々と自らをコピーし続けるという仕組みです。
     
    感染したディスクから起動を50回行うと、以下の「詩」がApple Ⅱに表示されます。
     

    Elk Cloner:個性を持ったプログラム
    それはあなたの全ディスクに乗っかるだろう
    それはあなたのチップに浸透するだろう
    そう、それはCloner!
     
    それは糊のようにあなたにまとわり付くだろう
    それはメモリーも改造してしまうだろう
    Clonerを送り込め!

     
    Elk cloner apple Ⅱ
     
    人々を恐怖に陥れている現在のウイルスから考えると、悪意よりもむしろ高尚さを感じてしまいますね。面白いことに、スクレンタ氏は「Cloner」と呼んでいるだけで、ウイルスという言葉を使っていません。当時はコンピューター・ウイルスという概念自体がなかったのです。
     
    1990年、ハッカーのフォーラムでスクレンタ氏は、愚かな行為だったとしながらも「もう私すら自分のApple Ⅱを持っていないのに」と、自分の生み出した「Elk Cloner」がこうして生き続けていることに驚きを示しています。
     
     
    Source:BGR
    Photo:Wikipedia
    (kihachi)

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