ジョブズ氏、Apple StoreのGenius Bar計画を毛嫌いしていた!

AppleのGenius Bar

AppleのGenius Bar
 
Apple Storeは、2001年に世界一号店が開業し、現在は世界に500店舗近くが展開されています。製品のサポートを受けられる「Genius Bar」はApple Store最大の特徴の一つですが、Apple共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏は当初、そのアイディアが気に入らず、「絶対うまくいかない」と否定的だったそうです。

世界にApple Storeを作った立役者が明かす秘話

2000年から約8年間Appleで小売部門担当の上級副社長をつとめ、世界各地にApple Storeを進出させたロン・ジョンソン氏が、Apple Store開業前のエピソードを米メディアRecodeのインタビューで語りました。
 

ロン・ジョンソン氏 flickr
 
大手小売店Targetの副社長だったジョンソン氏は、Appleへの転職にあたりスティーブ・ジョブズ氏の面接を受けたとき、ジョブズ氏からこんな宿題を出されました。
 

感謝祭の週末も近いことだし、君が何をやろうとしているか、書いてくれないか?小売りにどうアプローチしたいか、教えてくれ。

 
ジョンソン氏は、Appleが直営店ビジネスをするべき理由、どのようなテンポであるべきか、等を10ページにわたる論文にまとめ上げ、ジョブズ氏のもとに持参しました。
 
その後「ちょっと、来てくれないか」とジョブズ氏から呼び出しを受けたジョンソン氏が、「私の論文はどうでしたか?」と尋ねると、ジョブズ氏は「うん、まぁ、ちょっと気に入らないが・・・まあいい、ちょっと話そう」と答え、その日のうちにジョンソン氏の採用を決定しました。

ジョブズ氏、Genius Barは「絶対うまくいくわけがない!」

ジョンソン氏とジョブズ氏の議論の中心は、「Genius Bar」でした。ジョブズ氏は、このアイディアに猛反対します。
 

非常にばかげている!絶対にうまくいくわけがない!
 
いいか、ロン。君のアイディアは正しいかもしれない。しかし、現実とは大きな隔たりがある。私はテクノロジーに詳しくて、人との接し方も心得ている人間に会ったことがない。やつらは全員ギーク(オタク)だ。『ギーク・バー』とでも名付ければいい!

 
ジョンソン氏は、「スティーブ、今20代の子どもたちは、我々とは違う世界で育ってきている。彼らは全員、テクノロジーに詳しい。彼らが店で働くんだ」と説得しました。
 
ジョブズ氏は、その翌日、Appleの顧問弁護士に「Genius Bar」の名前を商標登録するよう、電話したそうです。

Apple Storeの前には「Apple Cafe」の計画も

現在、Apple StoreのGenius Barは、修理や交換の受付だけでなく、使い方のサポート等を提供し、世界中のAppleファンに親しまれています。
 
なお、ジョンソン氏が入社する少し前、現在のApple Storeとは大きく異なる、テーマパークから飛び出してきたようなデザインの「Apple Cafe」計画が進められていたことも明らかとなっています。
 
「Apple Cafe」も、単なる販売スペースではなく、Appleスタッフから製品の使い方のサポートが受けられるほか、食事まで提供されるスペースとして位置づけられていました。
 

 
 
Source:Recode

Photo: TechCrunch – Flickr, CC BY 2.0, wikimedia
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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