中国サプライヤーら、米国へのiPhone製造拠点移転は「ない」

    Foxconn

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    ドナルド・トランプ次期大統領の強力なプッシュもあり、Appleが主要サプライヤーであるFoxconnに、米国でのiPhone製造を促していると伝えられています。
     
    しかしほかの中国サプライヤーは、AppleやFoxconnに追随する意志はないようです。

    米国で製造する計画はない

    中国の大手ITサービスQQによると、iPhoneサプライヤーの多くは、Foxconnが米国にiPhone製造拠点を構えたとしても、米国で製造する計画はない、と述べているようです。
     
    たとえばiPhone向けにタッチスクリーンを提供するLens Technology(藍思科技)は、iPhoneの需要によって大きく変動する製造スケジュールを受け入れる労働者が米国では見つかりにくいこと、また給与も高くなることを理由として挙げています。
     
    また社名は明らかにされていませんが、他の部品サプライヤーも、米国には完全なサプライチェーンが存在しないため、製造プロセスにもっと時間がかかると述べています。深センでは約10日で完了する金属部品の成形が、米国では1ヵ月以上かかるというのがそのサプライヤーの見立てです。

    コストそして人材の問題

    Appleは今年6月、Foxconnに対し、iPhoneの米国生産を打診したと伝えられています。またFoxconnのテリー・ゴウ最高経営責任者(CEO)は、米国で製造しろといわれればいくらでも製造するが、その分のコストは消費者が負担することになるという、トランプ氏に宛てた皮肉たっぷりな手紙を公開しました。
     
    またティム・クックCEOも2015年12月に、コストの問題だけでなく、米国内ではiPhoneの製造に必要な高いスキルを持った人材が確保できない、と語っています。
     
     
    Source:AppleInsider
    (lunatic)

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    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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