アイブ氏は引退しない?「発言が誤解されている」とグルーバー氏

    ジョナサン・アイブ氏

    ジョナサン・アイブ氏
     
    Appleの最高デザイン責任者、ジョナサン・アイブ氏がすでに製品デザインの一線を退いており、最近発売されたAppleの写真集は同氏の引退を示唆するものではないか、という説の発信源となったジョン・グルーバー氏が、「発言が誤解されている」とする内容のブログをアップしました。

    「伝えようとしたことが正確に表されていない」

    Apple関連情報の有名ブログDaring Fireballで知られるジョン・グルーバー氏が、自らがホストを務めるPodcast番組「The Talk Show」でApple情報メディアSix Colorsの創設者ジェイソン・スネル氏と対談した際の発言が、ジョナサン・アイブ氏引退説につながったことについて、

    ポッドキャスティングで嫌いなのはこういうところだ。(中略)上で引用された部分(引退説として引用された部分)は、私が伝えようとしたことを正確に表していない。もしもショーのこの部分を聞いたなら、前後の文脈ではっきりするはずだ。

    とブログに記しています。

    アイブ氏は今もApple製品デザインすべてを管理

    アイブ氏はAppleのなかでもある意味、ミステリアスな存在であり、直接一緒に仕事をする人々は限られているうえに、彼らがアイブ氏について語ることは一切ないそうです。従ってグルーバー氏が知るアイブ氏の話も直接耳にしたものではない、としたうえで、「アイブ氏は製品のハードウェアデザインには以前のようには関わっていない『と思う』」という「推察」を聞き、それをポッドキャストで語ったに過ぎない、としています。
     
    またアイブ氏が昨年最高デザイン責任者に就任し、それに伴いアラン・ダイ氏がユーザー・インターフェース・デザインのVP、リチャード・ハワース氏がインダストリアル・デザインのVPに就任した時から、アイブ氏の引退説を唱える人はいたそうです。これはこの最高デザイン責任者という肩書が、あくまで「お飾り的なもの」とする見方をもとにしています。
     
    しかしグルーバー氏はこれについても、Appleに詳しい情報筋から聞いた限りでは、肩書は決して飾りではなく、むしろ権限が強まったことを示すもので、アイブ氏は新社屋や直営店などの建築物はもちろん、すべての新製品のデザインも管理下に置いていると述べています。

    アイブ氏が引退するとは思えない

    そしてApple製品のデザインを振り返る写真集「Designed by Apple in California」については、これこそがアイブ氏がAppleの全製品のデザインに責任を持っている証拠であり、「アイブ氏がどこかへ行くとは思えない」と記しています。
     
    またブログの最後に「『グルーバーはジョニー・アイブが引退すると思っている』という一文を読んだとき、愕然とした。自分の言葉にどれほどの影響があったかを悟った」と書いており、発言が思わぬ余波を生んだことにショックを受けたようです。
     
     
    Source:Daring Fireball
    (lunatic)

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    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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