Siriを初搭載したiPhone4sの発表から丸5年!Siriの誕生秘話をご紹介

    Siri

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    2011年の10月4日(日本では10月5日)は、人工知能によるアシスタント、Siriを搭載したiPhone4sが発表された日です。Siriの5歳の誕生日とも言える今日、Siriの誕生秘話をご紹介します。

    Siriの原点、Appleがジョージ・ルーカスに作らせた映像

    iPhone4sとともに、誰もが手軽に使える人工知能アシスタントとして華々しく発表されたSiriは、病魔に侵されていた晩年のスティーブ・ジョブズ氏が直接指揮を執った、最後の作品とも言えるプロジェクトでした。
     
    Appleの人工知能への情熱の源流は、1980年代後半、ジョブズ氏がAppleを去った後、当時の最高経営責任者(CEO)ジョン・スカリー氏が映画「スター・ウォーズ」で知られるジョージ・ルーカス氏に作らせた「知のナビゲーター(Knowledge Navigator)」というコンセプトビデオにあります。
     
    大学教授が、iPadのような機器に映った蝶ネクタイ姿の秘書に話しかけ、今日のスケジュールを聞き、電話をかけてもらう様子は、まさにSiriとの対話です。
     

    世界最大の研究機関が5年の歳月を投入

    1980年代当時、自然な対話の出来る人工知能は夢物語でした。実用に近づいたのは、2003年にアメリカ政府の軍事関係研究機関、国防高等研究計画局(DARPA)が2003年に研究を開始した後でした。
     
    DARPAは、人工知能の実用化のため、スタンフォード大学が設立した世界最大の非営利研究機関、SRI International(SRI)に働きかけます。SRIが、トップクラスの頭脳を持つ研究者500名と5年の歳月を使って研究を進めたプロジェクトは、「CALO」と呼ばれていました。
     
    この愛称は「学習し組織化する認識アシスタント(Cognitive Assistant that Learns and Organizes)」の略称でもあり、ラテン語で「戦士たちの召使い」という意味の「calonis」にヒントを得たものでした。

    「あなたを勝利へ導く美女」、Siri

    5年を研究に費やしたSRIは、CALOプロジェクトを独立させることにしました。そのスタートアップ企業は、SRIの発音をもとに「Siri」と名付けられました。
     
    「Siri」は、ノルウェー語で「あなたを勝利へ導く美女」の意味でもあります。
     
    2010年初め、Siriは多くのWebサービスと連携するアプリとしてApp Storeに登場しました。映画情報サイトや口コミグルメサイトから情報を引き出し、タクシーサービスと連携しタクシーを呼ぶこともでき、現在のSiriの原型が実現していました。

    AppleがSiriを買収、iPhone4sに搭載

    2010年4月、Appleは20億ドル(現在のレートで約2,000億円)と言われる金額でSiriを買収するとすぐ、SiriをiPhoneに搭載するための研究がスタートしました。
     
    その後、自然な音声対話で操作するという、初期のSiriにはなかった機能を実現して、SiriがiPhone4sに搭載されることとなりました。

    iPhone4sの発表を見届け、逝去したスティーブ・ジョブズ氏

    2011年10月5日、自身が開発を指揮したiPhone4sの発表を見届けた翌日、スティーブ・ジョブズ氏は56歳の若さでこの世を去りました
     
    当時、「iPhone4s」は「フォー・スティーブ(スティーブのために)」の意味ではないか、などの噂が流れましたが、ジョブズ氏の後を継いだティム・クック氏は2012年、iPhone4sのsは「Siri」を指している、と明かしています。
     
    最近のAppleは、SAPと人工知能アプリを共同開発し、同分野でCisco、IBMと協議を進めていると報じられています。また、人工知能関連の技術を持つ企業の買収も積極的に行っています。そして、macOS Sierraでは、ついにsiriはMacへと進出しています。
     
    以下は2011年10月4日の発表会の様子です。iOS5の懐かしい画面デザインが、今見ると新鮮に感じられます。
     

     
     
    Source:Cult of Mac
    (hato)

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