iPhone7の売れ行きを懸念するレポート登場―「正鵠」かそれとも「決めつけ」か

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iPhone7は売れているのかいないのか――大手キャリアが売れ行きにポジティブな反応を示す一方で、iPhone6sよりも売れていないとするレポートが登場しています。

内部向けレポートがコピーされて流出

ドイツの調査会社GfKの内部向けレポートが流出し、同社がiPhone7はiPhone6sの時に比べ、年率ベースで売れ行きが約25%下回っているといった見方を下していることが分かりました。
 
「チャネル・チェック」と呼ばれる流通網から得られる情報をベースにした集計であるほか、世界最大のスマートフォン市場であるアメリカを除いていることなどから、必ずしも正確な数字を示しているわけではありませんが、これを受けてAppleの株価は23日、一時2.7%安を記録しています。
 
また、台湾のニュースサイトDigiTimesも、Appleがサプライヤーに発注したiPhone7/7 Plus向けチップの数量が、2017年第1四半期(1~3月)は前期比で20%減少すると報じています。

売れ行きが良くないと決めつけるのは早計

では、iPhone7/7 Plusの見通しは本当に良くないのでしょうか。必ずしもそうとは言えない、と筆者は考えます。
 
まず、海運業者が土壇場で破綻したり台風に見舞われたりと、予定外のアクシデント続きでチャネル自体が満足に機能していなかった可能性があります。この問題は10月8日を目処に解決すると言われていますが、予約ユーザーに発売日当日にiPhone7が届かなかったことや、恒例となっているPhone発売直後の販売台数公表を、今年に限っては「供給上の問題」としてAppleが控えたことからも明白でしょう。
 
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また、第1四半期に前期比で20%チップの発注が減少するというDigiTimesの報道をもって、米メディアBloombergは販売台数の低迷を示唆していますが、史上最高の売り上げを記録したiPhone6/6 Plus(2015年)も第1四半期は18%減となっており(前年同期比では40%増)、この時期は発売~年末商戦の反動が出ると考えるのが一般的です。
 
現に、当のDigiTimesは先日も、Appleが2016年末までにiPhone7シリーズが1億台売れると見込んで部品の発注をかけていることを明らかにしているほか、別の報道でも第3~4四半期にかけチップ業者に向けて計9,500万台のユニットをオーダーしたことを伝えています。
 
なお、サプライヤー周り以外でも、米大手キャリアT-Mobileが、iPhone7/7 Plusの予約数はiPhone6/6 Plusの4倍以上であると述べています。売れ行きの行方は、年明けの決算発表で明らかとなります。
 
 
Source:Bloomberg,Business Insider,DigiTimes
(kihachi)
 
 

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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