クックCEO「ARは非常に面白い技術」「Siri対応アプリが秋に登場」

Apple クック

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iPhone7などの新製品発表が期待される9月のメディアイベントまで1ヵ月を切ったこのタイミングで、Appleのティム・クックCEOが、米Washington Postのロング・インタビューに答えました。
 
その中でクックCEOは、AppleのCEOとしての仕事やこれまでのこと、Appleの現在、FBIと対立したiPhoneロック解除拒否、さまざまな企業買収、未来の製品など、多岐に渡って語っています。中でもSiriを含むAI(人工知能)とAR(拡張現実)について、興味深いコメントをしているのでご紹介します。

秋にはサードパーティーからSiri対応アプリが登場

クックCEOによれば、AIの技術発展によってSiriの予測能力は格段に向上しており、すべてを言わなくてもかなりの正確さでユーザーが何を言いたいかが推測できるようになってきました。Siriの能力は今後もさらに発展する見通しです。
 
そして6月にはサードパーティーにSiriを公開、他社がSiriを使ったiOSアプリを開発できるようになりました。クックCEOは、配車サービスのUberやLyftのアプリで、音声だけで車が呼べるようになる、という例を挙げています。クックCEOによれば、この秋(おそらくiOS10が出荷開始となるタイミング)には、Siriが使えるサードパーティーアプリが大量に登場するとのことです。

個人情報はクラウドではなく端末に保管

またSiriはメールを音声で入力する際の予測変換や、「車を駐車した場所を覚えておく」といった機能により、日常生活を便利にするのに役立つとクックCEOは述べています。
 
これは最近Apple Storeアプリに追加された「オススメ」タブを指していると思われますが、ユーザーの過去の購入履歴の情報と機械学習技術を組み合わせ、ユーザーが好むであろう楽曲をオススメしている、としています。
 
AIの技術開発と並行して懸念が高まっているのが、個人情報の蓄積によるプライバシー侵害の問題です。クックCEOはこれについて、AppleはSiriなどに活用する個人情報をクラウドではなくユーザー個人の端末に保管しているため、プライバシー侵害はないと、これまでと同じ説明を繰り返しています。

ARについて「いろいろなことをしている」

そして大ヒットモバイルゲーム「ポケモンGO」によって、さらに注目度が高まっているAR(拡張現実)について質問されると、

「ARは非常に興味深く、ある種のコア技術だと思う。まさにおっしゃる通りで、先ほどお話した舞台裏で、いろいろなことをしています(笑)」

と答えています。具体例は挙げませんでしたが、AppleがAR技術について何らかのプロジェクトを進めているのは間違いないようです。
 
リンク先のWashington Postのページにはインタビューの動画もありますので、ぜひご覧ください。
 
 
Source:Washington Post
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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