アップルが中国で泣けば、Qualcommが笑うワケ

    qualcomm snapdragon820

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    アップルが中国でシェア・ランキング5位に落ちてしまったニュースは各地で様々な反響を呼んでいます。中国製のスマートフォンがiPhoneよりも魅力的な商品なのかどうかは謎ですが、Oppoなどの新興ベンダーがシェアを驚異的に伸ばしているところをみると、やはり中国ユーザーに訴えかけるものがあるのでしょう。
     
    しかし、こうした激戦区のなかで、確実に一社だけ「勝っている」と言えるテクノロジー企業があります。スマートフォンにCPUを提供するQualcommです。

    中国スマホが次々と「スナドラ」を採用!

    投資サイトSeekingAlphaによれば、アップルが中国市場でシェアを失うと、Qualcommの利益が押し上げられることになるそうです。理由は中国製の最新スマートフォンのほとんどにQualcommのCPUが搭載されているからです。
     

    qualcomm 中国 シェア

    最近発売されたスマートフォンは、ほとんどがQualcommのチップを搭載していることが分かる。


     
    2016年度第2四半期で、アップルのシェアは1年前の12%から10.8%に縮小した一方、1~4位を占める中国ベンダーHuawei、Oppo、Vivo、Xiaomiを合わせると、中国市場の53%を占めている計算になります。過半数を占めるこの4社がこぞって搭載しているCPUがQualcommによるものなのです。

    アップルは独自開発のCPU

    他ベンダーと異なり、iPhoneだけで勝負しているアップルは、中国でも最初からハイエンド市場に的を絞ったマーケティングを行っていました。その甲斐あって、同市場では巨大な影響力を有してきましたが、こぞって中国ベンダーもSnapdragon820のような最高クラスのCPUを搭載したスマートフォンを展開し始めたことによって、アップルのシェアが縮小し始めたのでは、との見方もあります。
     
    広く知られている通り、アップルもLTEモデム部位にはQualcommのものを使用していますが、CPUは「Aシリーズ」として自社開発しており、サムスンとTSMCに製造を委託するという形を採っています。そのため、Qualcommとしてはアップルのシェアが縮小すればするほど、中国での自社CPUのシェアが高まるというわけです。

    独禁法に引っかかりもしたが

    昨年は中国の独占禁止法に引っかかり、61億元(約900億円)の罰金を言い渡されるなど辛酸をなめたQualcommですが、ここ数ヶ月でXiaomiやLenoco、GREE(格力)、Qikuといったスマートフォン企業と次々にライセンス契約を結ぶなど、転んでもただでは起きないと言わんばかりの様子を見せています。
     
    また先月には、ライセンス料の支払いを拒否したとして、Meizuに対して訴訟を起こし、5.2億人民元(約80億円)の賠償を求めています。
     
     
    Source:腾讯科技
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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