インドで160円のスマホが登場―広がる怪しげな「愛国ビジネス」

    namotel acche din インド

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    アップルのティム・クックCEOが訪問中ということもあり、「次なる中国」として注目を集めているインドのスマートフォン市場ですが、ユーザーの掘り起こし競争も並大抵ではありません。わずか99ルピー(約160円)のスマートフォンが同国で登場し、注目を集めています。

    世界最安価格の160円スマホ

    インドでは、「Make in India(インドで製造を)」と並んでモディ首相のスローガンとして有名な「अच्छे दिन(Acche Din:良い日)」ですが、この「Acche Din」の名を冠したスマートフォンが同国で登場しました。Namotelの「Acche Din」は価格がわずか99ルピー(約160円)と、以前話題になった251ルピー(400円)の「Freedom 251」を下回る、世界最安価格を実現しています。
     
    もともと2,999ルピー(約4,800円)だったとされる「Acche Din」、CPUが1.3GHzの4コア、メモリが1GB、内蔵ストレージが4GB、3G対応のデュアルSIM、メインカメラが200万画素、フロントカメラが300万画素、OSがAndroid Lollipop 5.1.1とこの価格であれば割高にも思えるスペックですが、99ルピーはさすがに「やり過ぎ」の一言でしょう。

    存在を怪しむ声も

    インド namotel

    現在サイト上には予約締め切りのお詫びが掲載されているのみ


     
    ただし、この「Acche Din」には懐疑的な指摘もいくつか存在しています。
     
    例えば、端末の名前だけでなく、(1)会社名の「Namotel」も明らかにモディ首相(Narendra Modi)からインスパイアという分かりやすい「愛国ビジネス」ですし、(2)ドメインが登録されたのは2016年3月、(3)サイト上に掲載されていたのはイメージ画像のみというやっつけ仕事ぶり(現在は予約を締切るお詫びの文章が掲載されているのみ)、(4)挙句の果てに送料は199ルピー(約320円)で端末本体より高いというありさまです。
     
    こんな状況では、注目を集めるだけ集めて次の手を打つ炎上商法か、はたまた詐欺ではないかとする声がほうぼうから出るのも不思議ではありません。
     
    同端末を紹介している現地メディアThe Indian Expressは、「もちろん、この携帯が画像(illustration)か幻想(illusion)かは知る由もないが、誰もNamotelの名を聞いたことがないことを思えば、幻想側に賭けるべきだろう」と辛辣な皮肉を浴びせています。
     
     
    Source:The Indian Express, Namotel
    (kihachi)

     
     

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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