世界スマホ市場のiPhoneシェアが縮小~無名の中国メーカーが台頭

    Apple iPhone SE

    iPhone SE
     
    調査会社IDCが発表した、2016年第1四半期の世界スマートフォン出荷台数ランキングにおいて、上位5社のうち3社を中国メーカーが占めました。またAppleは前年同期比で出荷台数を大きく落とし、市場シェアが縮小しています。

    前年同期比0.2%の「微増」

    2016年第1四半期の世界スマートフォン出荷台数は3億3,490万台で、2015年第1四半期の3億3,430万台から0.2%の微増となりました。IDCは前年同期比でほぼ横ばいだった理由について、新興国のスマホ市場が飽和状態となったこと、また市場をけん引するSamsungとAppleの出荷台数が減少したことを挙げています。

    変わる中国市場

    しかし最大の変化は「OPPO」「vivo」という無名の中国メーカーが、LenovoとXiaomiを抜いて4位、5位にランク入りしていることです。中国スマホ市場は成熟し、成長率は劇的に鈍化しました。
     
    2013年の中国におけるスマホ出荷台数は、前年対比で62.5%増と目覚ましい記録を打ち立てましたが、2015年の前年対比伸び率はわずか2.5%と一気に下がっています。一方中国におけるスマホの平均販売価格は2013年の207ドル(約2万3,000円)から、2015年は257ドル(約2万9,000円)へと上昇しています。
     
    IDCによれば、2013年に中国市場でシェアを伸ばしたのは、平均価格150ドル(約1万7,000円)以下の製品で勝負していたLenovoでした。2014年、2015年には平均価格200ドル(約2万2,000円)以下の製品を中心としたXiaomiが売り上げを伸ばしています。
     
    そして今年堅調なのは、250ドル(約2万8,000円)クラスの製品を主力とするHuawei、OPPO、vivoです。つまり低価格から高級品へと、中国消費者の好みが変化していることを示しています。

    iPhone SEは第2四半期からが勝負

    Appleは現地時間26日の業績発表で、第1四半期のiPhone売り上げが前年同期比16.3%減の5,119万台であったことを明らかにしました。iPhone6s/6s Plusにも新機能は盛り込まれたものの、iPhone6/6 Plus以前の機種を持つユーザーの買い替えを喚起するには至らなかったのが一因とみられています。
     
    この春に発売されたiPhone SEは、iPhoneがこれまで価格の高さから参入できなかった、新興国市場を狙ったとみられている製品です。しかし399ドル(約4万4,600円)という価格帯には、特に中国とインドの場合、同レベルの性能を持つ競合他社のスマホが数多く存在します。
     
    とりわけ目立った新機能を搭載しないiPhone SEの買い替え需要に勢いがつくのは、Appleのティム・クックCEOも述べているように、2016年第2四半期からだろうとみられています。
     
    IDC_Q12016_smartphone
     
     
    Source:IDC
    (lunatic)

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